本の感想:歴史に関する15冊

青切

アジア史

「世界史のなかの戦国日本」

 村井章介さんの「世界史のなかの戦国日本」を読了。

 ちくま学芸文庫から出ている。

 以下は読後のメモ。


〇秀吉とヌルハチ

 辺境から少数精鋭の軍事力により、明に挑戦した豊臣政権(日本)と後金(満洲)。

 明はどうにか豊臣政権は退けたが、余力を失い、続く後金によって滅んだ。

 先に後金が動き、その後に日本が攻めていたら……。


〇遊牧民と海賊(倭寇)の基本行動

 中国との交易がうまくいっているうちは、武力に訴えない。効率が悪いため。

 何らかの理由により交易ができなくなると、経済活動の変容として略奪を行う。


〇戦争とシステム

 豊臣政権による朝鮮出兵により、日本の物流システムが再編され、江戸時代の繁栄に寄与した。

 これは第二次世界大戦中に構築されたシステムが、戦後復興・高度成長の基盤になったのと同じ。


〇木綿と米

 日本の戦国期、朝鮮では木綿以下の布を貨幣代わりに使っていたが、布を日本が買いあさって問題になった。

 日本でも米で代用していた時期があったが、米は籾米もみごめで保存すれば何年でも持ったので、貨幣の代わりにすることができた。

 ただし、不作の時には食糧だけではなく、金融の問題も抱えてしまうリスクがあった。

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