第19話 15歳の執事とデートする

 思えば…ヨニーとデートもしてないうちにヨニーを誘惑して処女を捧げるなんてよく考えたら展開が早過ぎて不審に思われるかも。

 昼間私がどんなにヨニーが好きかをアピールして夜になったら処女捧げようと決めた。


 コソコソとヨニーと私は侯爵邸を抜け出して街へ向かった。


「旦那様にバレたら叱られるのでは?」


「夕方までに戻るわよ。お父様のプレゼントでもこっそり買いに行ったとか言っておけばいいわ。適当にステッキでも後で買いにいきましょう」

 とヨニーの腕にくっ付くとビクっとするヨニー。思い出したように


「お嬢様…あの…さっきの…」

 と赤くなり言うヨニーに私は頰にキスする。


「!!!?」

 ヨニーはまた混乱する。


「私が本当に好きなのはヨニーなの。本当に王子のことなんとも思ってないし早く婚約破棄されたいと思ってるわ!」


「ええ?あんなに王子に恋していたの演技だったと?」


「そうなのよ!!演技!お父様や屋敷の者を誤魔化して密かにヨニーに想いを寄せていたんだから!信じてよ!


 それに入学前にデートくらいしておきたかったし」

 とヨニーに言うと照れながらも俯く。


 そこでグウとお腹が鳴り屋台でヨニーがご飯を買ってきてくれた。庶民のご飯!

 あっさり目のスープと果物と丸パンを近くの椅子に腰掛けて食べ始める。


 ヨニーも食べ口元にパンクズがついていたので指で取ってあげるとヨニーは更に緊張してしまった。


「うふふ、楽しいわねヨニー!」


「は、はいっ…楽しいと言うか僕には夢みたいですけど…お嬢様とこんな二人でお出かけなんて…ほ、本当に夢ならどうしよう」

 とヨニーはつねったりしていた。


 私はにこりと微笑むとヨニーの手を握り額にキスする。


「夢じゃ無いわよ…忘れないで」

 と言い、ヨニーと楽しく街を回る。楽しげな音楽も聞こえる。その間ずっと手を繋ぎ離さなかった。


 ピエロが踊りジャグリングをしながら手品のように花を出す。まぁ魔法の花だろうけど。

 人混みは多く、賑やかになっていき、ドンと酔っ払いがぶつかる。


「いてーな!キィ付けろ!」

 とフラフラ歩く酔っ払いにヨニーが素早く魔法を放ち男が倒れた!!

 するとバラバラと財布がたくさん落ちてその中に私の物もあったので驚く!

 いつの間に!!


「きゃーっ!こいつスリだわ!!誰かきてえー!」

 と近くにいたおばさんが叫び出し、直ぐに憲兵がやってくるのが見えてヨニーは私の財布を拾い人混みを掻き分け走り逃げた。尋問され面倒になりたくないしね。繋いだ手首が熱い。


 ようやくはぁはぁと暗い路地で息を整えているとヨニーが壁に頭をつけ


「お嬢様…やはり街は危険ですから戻りましょう…」

 と言う。さっきの酔っ払いスリもいるし、怪しい薬を売りつけてくる輩もいて危険らしい。


「お嬢様の安全が第一ですので」

 確かに危険だけど…ヨニーなら守れると思うの。


「折角ヨニーとデートしてるのに…勿体ないわ。もう少しだけ…一緒にいたいわ…」

 とヨニーに近寄り抱きつく。

 ヨニーは石になったように真っ赤になり動かないので私は背伸びしてヨニーにキスしてみたらまたヨニーが驚き目を開く。


「ヨニーは私の事どう思ってるの?」


「あ、あの…僕は…!おおお嬢様を………お慕いしています……」

 と照れ隠しに目を逸らして言うのでこちらに顔を向けさせてもう一度言う。


「もう、ヨニーったら…私の目をちゃんと見て言ってよ!」

 と抗議するとヨニーが真っ赤にハクハクしつつも


「あの…お嬢様…やっぱりあの変…」

 どうも私の行動がいつもと違うことに気付いたヨニーが指摘する。不味い。頭のいいヨニーがいろいろ考えだす前に…。


「変じゃあないわよ…」

 とヨニーにちゅっちゅっとキスしていくとだんだんヨニーも応え始め深いものに変わった。


「ふ…はっ!おおお嬢様…あ…」

 とヨニーが私の背中を少し強めに抱きしめてくれた。


「お嬢様じゃなくてアンネットよ」

 と言うとヨニーがとろけ、


「ああ…アンネット…こんなこと…ダメなのに…でも…嬉しい…です」

 と絞り出すように言いキスをした。


 しばらくそうしていて一息ついて私達は一緒にまた街を周り楽しんだ。ヨニーも何も言わなくなり夢見心地でデートを楽しんだんだのだ。お父様のお土産も買って夕方になると屋敷にもどることにした。

 帰り際にヨニーが花屋さんでお花を買ってプレゼントしてくれたのは嬉しかった。


「ありがとうヨニー!」


「い、いえ、アンネットに似合うかと思って…」

 と照れている。


 歩きながらヨニーに私は言った。


「ヨニー…今夜貴方の部屋に行ってもいい?」


「え!?」

 とヨニーが驚くので私は


「ごめんなさい、はしたない?早くヨニーのものになりたいの…」

 と可愛くおねだりしてみたらヨニーはコクリと小さく喉を鳴らし


「………はい…お待ちしてます…」

 と言ってくれた。

 よし!いい感じだわ!!

 その後屋敷に帰りお父様に少し怒られたけどお土産を渡すと上機嫌になられた。


 夕飯とお風呂を済ませて屋敷の者が寝静まった頃にこっそりとまたヨニーの部屋を訪れた。


「ほ、本当にきた…」

 とヨニーはまた言った。


 私はあの日と同じように言う。



「ヨニー…約束して?絶対に最後までしてね?いい?絶対よ?途中で辞めたら許さないわ!」


「…はい…お、アンネット…がいいなら……ひ、昼間きちんと言い忘れてしまって…僕も…アンネットがす、好きです。手の届かない高嶺の花だったのに…」


「そうね、私達両想いなのよヨニー。思い切り幸せにしてね?」

 と言うとヨニーは赤くなり震えながらも私をまた優しく押し倒した。


 また私は処女に戻っているので少し痛い思いをしたけど好きな人と結ばれてやはり幸せな気持ちになった。ヨニーも辿々しいけど必死に求めてくれたし何度も好きとか愛しているを囁き合った。


 ヨニーが疲れて安心して眠ってしまったので私は起き上がり天球儀を取り、星の光を集めた。メモリをいじって一周と少し動かしてまたヨニーの所に潜った。


 どうか!夜会の日に戻ってますように!!と願い私はヨニーの腕の中で眠りに落ちていく。

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