第18話 嘘でしょ!?の展開な朝
15歳のヨニーに処女を捧げた私は幸せな気持ちで目を覚ました。
しかし違和感に気付いた。
?
金髪が目に入った。
何か目の前で…アロルド王子が寝てやがる。
私はそうっと布団をめくると王子は素っ裸でついでに私も素っ裸だ!!
……。
一気に悪夢へと私は陥った。
おい、嘘でしょ??どうしてよっ!!
ここにいるのヨニーじゃないしっ!!
しかもよく見るとここ私の部屋じゃなくて王子の部屋だった!!
天蓋付きのベッドの上に私はいた。
すると王子が眠そうに目を開いた。
「アンネット…昨日は素晴らしかったな。ふふ、まだ夜明け前だ。もう一度…」
と言うので私はこいつをベッドから蹴落とし大事な所を蹴り上げた。
「ぎゃああんんん!!」
とひくひく抑えながら倒れる王子。
「ヨニーはどこ!?この変態!!」
と言うと泣きそうな顔でアロルド王子は
「な、何をする!?あの執事?お前に手を出した罪でとっくに処刑したじゃないか!…ふん、人の婚約者に手を出すからこうなるのだ!」
と笑うので私はもう一度こいつの息子を踏みつぶす。ヨニーが…処刑!?
「ひゃあああん!!」
と王子は言う。
私は床に落ちていた服を拾いあげた!!何とか着てみるが、なんと胸の部分が裂けとる!!
なんてことなの!?このクソ王子よくも!服を裂くなんて!適当に王子のクローゼットを漁りコートを羽織る。
そのまま部屋を出て私は馬を走らせまた魔女様の家に行った。
ああ、最悪!何で王子と!?カルロッタ様はどうしたのよ!?
もしや、カルロッタ様と出会う前にヨニーと仲良くしている所を王子に見つかり、あのクソ王子が自分のものを取られるのが嫌で…ヨニーを処刑した!?
王子は昔から独占欲が強かったように思う。最初こそ興味が無いものでも人に取られるとムキになり取り返す事があるのだ。
あんな奴が私に触ったなんて気持ち悪すぎて吐き気がした。
アルファ様の家をノックするとやはり眠そうにアデリナさんは半分寝ながら出てきた。
「誰だべ?こんな朝早くに…」
私はとりあえず中へ入れてもらいお風呂を借りることにした。
小さいけどきちんとバスタブがあったので念入りに洗った。
「気持ち悪!どうしてよ!…何があったの?それに…ヨニーが処刑…ですって?冗談じゃないわ!!」
お風呂から上がるとアルファ様が起きてきて私はまた天球儀を見せ、経緯を話したのだ。
アルファ様は流石に笑った。
「あんた…可哀想な子だねぇ」
「………目覚めたらヨニーがいるものだとばかり!それに助言してくださったのは前のアルファ様なんですよ?その通りにヨニーに誘惑して結ばれたのに戻ってみるとなんでこうなってるのよ!信じられない!とにかくヨニーを殺させないで助けたいけど戻れるのは一日だけなんて!」
と悔しがるとアルファ様はふーむと考えて
「仕方ないねぇ。ならもう一日増やして戻れること教えてやろう。悪用防止の為、今までの私は言わなかったんだろう」
えっ!?何ですって!?もう一日戻る回数を増やせるですって!?
「何でもっと早く教えてくれないんですかっ!!」
それなら最初にまた15歳のヨニーの所に戻り、次は処刑前に戻り二人で逃げると言う選択肢か、王子にきっちり婚約破棄してもらう…。でもあの王子が素直に婚約破棄するとは思えない。何でカルロッタ様はあんなやつ好きなのかしら?
いや、私もあの顔に最初やられたけど。
今となっては顔だけ男だったし。おお、おぞましい!朝の光景を思い出し鳥肌が立つ。早く忘れたい。
…というか…カルロッタ様と出会わせた方が早いのかもしれない!カルロッタ様と友達になった方がいい!
2回目の戻りはカルロッタ様を王子に押し付ける?むむう、たった一日でそんな上手くいくかしら?…
ヨニーが処刑されず、悪の道にも走らず、アロルドのアホ王子が私に変な気を持たずカルロッタ様に恋するよう仕向ける。
うう、どうしたらいいの?
私は過去を辿り思い出す。
夜会…学園に通っていても何度か夜会に出る事があった。確か…2学年の夏前に夜会があり、そこでカルロッタ様を見かけた気がする!
私は王子とファーストダンスを踊ったがその後王子はある少女に釘付けになっていた気がする。
最初の記憶ではそうだわ。
それで私嫉妬でカルロッタ様を虐めるようになったのよね。
戻るなら…そこ?
そうだ!何とか夜会でカルロッタ様と友達になり王子とカルロッタ様を踊らせればいい!!
と計画を綿密に立てアルファ様から戻り方を聞いた。
「1回目戻った後、夜寝る前に星の光を集め天球儀のもう片方の輪を今度は戻りたい時まで進ませる。
2学年の夏前か…。もしかしたら正確な時には戻れないかもしれないよ?とりあえず一周回して夏至前だからメモリは季節の春の少し後ら辺だからほんの少し動かすくらいかね?
まぁ、失敗したらまた何度かやり直して日にちを把握するしかないだろうね」
と言われる。成る程…。
1周とほんの少し動かすのね?
それならやれそうだわ!
とりあえずこの世界にヨニーがいないことなんて耐えられないしもう戻るしかない。王子め!ヨニーを処刑するなんて!あんな奴と結婚するくらいなら死んだ方がマシだったわ!
私はまた星の光を集めて一度、15歳のヨニーの元へ戻ることにした。
メモリをセットして眠りについた。
*
朝…やはり少し縮んで15歳の私がいる。よし!戻った!ヨニーをもう一度誘惑して処女をさっさと捨てないといけない!
全く、次の2回目の戻りに失敗したら私何度ヨニーを誘惑する羽目になるのかしら?
ま、まぁ…ヨニーが相手なら何度だって処女を捨てるけどね!
気合を入れ直し最初の時と同じように夜明け前ヨニーの部屋をノックする。
あの日と同じように眠そうにヨニーが私を見る。
「お嬢様?どうしたんです?こんな朝早くに…??」
と言う。
でも今回はいきなり抱きついたりせず
落ち着いて言う。
「ヨニー…ちょっとお願いがあるの」
「何でしょうか?」
「今日一日…内緒で家を出て私とデートして欲しいの!!」
と言うとヨニーが驚きで完全に目覚める。
「ええ!?ぼ、ぼ僕と!?お嬢様が??ででででデート??」
「そうよ…実はヨニーのことが好きなのよ…王子との婚約なんてお父様達が勝手に決めたこと」
と言って私はにっこりした。
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