灰色の少女

小さい頭巾

後夜祭


 後夜祭。


 校庭の真ん中で、組まれた木々が炎に包まれていた。文化祭で出たゴミはここに焼却されていくという仕組みだ。華やかな看板や装飾された段ボールがどんどんそこへ放られていく。


 順番が回ってきて私は、彼が持ってきたキャリーバッグをその炎の中に投げ入れた。これから何時間かの間、キャリーバックの中に入った彼女はじっくりと焼かれて見る影も無くなるのだろう。きっと明日には灰になって彼女は風に吹かれて舞うのだ。そうやって私たちが文化祭の間にしてしまった罪も同様に、消える。


 バチバチと、火花の散る音が激しくなっていく。


 

 そして、消える。


 

 なにもかも。

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