sin~シン~運命の女神の手の中で

神稲 沙都琉

第1話

もしも、あのとき、ボクは…。

何度もそう考え、左手を握りしめる。

ボクの手は、汚れてしまってるのかな?


3年前。駅前の広場のお気に入りの場所の椅子に座り、オンラインゲーム、フォトナを楽しんでいた。

ここしばらく優勝が奇跡的に続き私、『ノルン』の名前は知らない者がいないほどになっていた。


ヤバいなぁ、そろそろやめ時かも、なんて考えているまさにそのときいきなり

「見つけました!女神様を発見しました」

その素っ頓狂な大声に大注目を浴びてしまう。

「人違い、では?」

やっと絞り出した一言は次の言葉で凍りつく。


「ノルン様、ずっとお慕い申しあげておりました」

耳打ちされ、ニッコリと。

リアムとの出合い、だった。

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