第15話「あの〜メリーさん? もしも〜し。」

「わたしメリーさん今あなたの家の前にいるの」

「あ、玄関開けるね」

「わたしメリーさん今あなたの家の中にいるの」

「あ、適当にしてて」

「わたしメリーさんいまベッドの上にいるの」

「なんか飲む?」

「わたしメリーさんいまシャワーを浴びてるの」

「タオルの場所分かる」

「わたしメリーさんいまあなたの上にいるの」

「ふう」

「わたしメリーさんいまあなたの下にいるの」

「これはこれで疲れる」

「わたしメリーさんいまあなたが後ろにいるの」

「きみの状況のほうを伝えるべきだと思う」

「わたしメリーさんのなかにあなたがいるの」

「さっきからそうだったね」

「わたしメリーさん服を着て帰るの」

「おつかれさま」


 なんだったのか分からないが、今はどこでも電話でメリーさんが来る時代なのでとても気楽になったものだ、いつも絶妙なタイミングでここぞというときにメリーさんが来るので僕は一人暮らしを始めてから退屈したことが無い、あ、着信だ。


「わたしメリーさんいまあなたのこどもがいるの」

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