17日目 髪、の話。

 とある休日。

風「でさぁ、宝くじで魔法イカサマ使ったらもうそれだけで生活できるんじゃないかって」

陽「リスク大きくない?」

風「使える武器は使う、当然」

 こんな感じでてっきとうにだべっていたのだが、

風「あれ?陽菜ひな、髪切った?」

 陽菜の髪が、なんか、ショートだった。いや「サクサクした」じゃないほうね。栗色のおいしそうな髪だったのになぁ……。今は肩のあたりで切りそろえている。

陽「おそい」

風「わるい」

陽「許さん」

風「Why!?」

陽「きまぐれ、というか気づいた。髪切ったほうが楽なんじゃないかって」

風「ほう」

 まあもともと「面倒だから」で放置してただけだからね。……私もそうしようかな?

E「おや、風音おばかさん、ようやく気がついたんですか。」

風「ルビに悪意を感じるんだが?」

E「木のせいですね。主にシラカバ。そういえば、」

 話をそらしたのか……私以外のやつが?

風「あぁん?」

E「まあまあキレないでください。早死しますよ?」

風「死ぬ?不老不死を体現した我々けんじゃ。が?」

陽「……話戻していい?」

風「おk」

陽「さて問題!」

風「長雨ながめ」先行入力はゲーマーの極致ぃ!

陽「ファイナルアンサー?本当にそれでいいんですね?間違っていても知りませんよ?

風「yes.」

 ゴン。と2階にあるドラムが転げ落ちる音がした。

陽「これが本当の『ドラムロール』ってね」

風「は?」

 と、ここまで話したところでインターフォンがピンポーン、ピンポンピンポンピンポピンポピポピポピポピポピピピピピピピピピ

風「うるせぇ!(デジャヴ)」

雨「正解!ということで正解したあなたには!髪の毛を少し短めにする義務をくれてやる!」

風「いらん!」

雨「入るぞ〜」不法侵入つかまれ

風「入ってくんな。ってえぇ!?」

 長雨の髪が、なんか、こう、短くなって、あれよ、短くなった(語彙焼失)陽菜よりも短くなって、肩と髪の隙間が、見える、見えるようになった。

雪「久しぶりですね」

風「はいひさしぶり。紗雪さゆきは変わらないんね」

雪「そりゃあ自慢の髪ですから」

風「だよねぇ。……ポニテ枠が空いたな。入るか」

陽「別にいいけど、矜持とかそういうのはないわけ?」

風「あるわけ無いだろう」

 ということでポニテになった。エメラルドグリーンの髪(今は)のポニテ。いいだろぉ(*‘ω‘ *)

雨「なんか、さぁ?良くない?バランス」

風「あら奇遇。私もそう思ってた」

陽「以心伝心ってか?気持ちわりぃ」

風「え?ひどくない?」

陽「いや、ひどくないさ」

 ひどくないんだって。


 ……はぁ?

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る