最初で最後のわがまま

 25歳の誕生日の夜。

 彼が事故に遭ったのは私のいつものわがままで私の家へ向かう最中だった。

 病院に着いた頃には手遅れで彼はもう亡くなっていた。 後悔に苛まれ泣き崩れる私に担当医が遺言を告げる。

『どうか僕のことは忘れて幸せになって欲しい』

 それは彼が私に言った最初で最後のわがままだった。

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