あふぃあめいしょん!

プロローグ

 遥か彼方の世界。

 かつて、物にも意識があった時代。人が絶えず争っていた時代。

 その中でもひときわ大きな戦争「粛界戦争」によって、天門と呼ばれる異世界と繋がった門が開いた世界。

 天門は途轍もなく高い壁「ハウナの世界壁」の向こう側に出現した。それらを覆う赤い海「死海」によって外海と途絶された大陸群。

 人類はハウナの世界壁を調査しようとしたが唯一、壁につながる北大陸は、「千年樹海」と呼ばれる大樹海と、さらにその先に万年、灰の雪が降り続ける「死灰の大雪原」によって閉ざされたままであった。

 そして、異世界より現れる強大な魔物たち。人類は絶滅の危機に瀕していた。

 魔物たちに対抗するため、神々は天門を利用し、異世界人を召喚してそれに対抗すると決めた。。しかしそれは浅知恵だった。

 神々は異世界より、無作為に人間を召喚した。しかしその中には悪の心を持った者もいた。結果として、世界はさらに混沌を極めることになってしまった。

 増え続ける魔物、そして魔王に堕ちた勇者たち。神々は絶え間なく、勇者を召喚し続けることで勢力に拮抗させていた。

 人類は愚かな采配を下した。追い詰められ続けた結果、人類はまたも悪手を指す。

 人類同士の戦争である。勇者を利用した国同士の争いは世界を徐々に破滅へと導いていた。

 その世界で果敢に生きる者たちがいた。


 神に見放された者。大切なもののために自ら堕ちる者。世界を変えるため奔走する者。


 挫けてなお這い上がる彼らは何を見て、何を為すのだろうか。


 これは彼らの遥かな旅路。


 これは彼らの軌跡を辿る、物語である。


 これは彼らの絶望を知る、物語である。


 これは彼らの希望を見る、物語である。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る