青春のリアル

第1話

元々青春などというものは男子のみに許された特権だったのだ。

では女子は？

そんなものよりもっと重くて理不尽な現実と、それから逃避するための少女趣味な諸々を密やかに摂取して息を殺していたのだ。

大人たちに見られぬよう、男どもに見つからぬよう。

そうしなければ私達はからかわれるだけだったから。

少女趣味は時に男勝りとされている女子からも非難を浴びる。

自分には理解できない、そういうのはわからない、受け付けない、子供っぽい、そんな言葉で。

そういう時の男勝りな女子は大抵得意げで、自分の無理解が相手を傷つけているなんて思っていない。

ただ自分は正しいことをしているという、大人たちに迎合した思い込みでそんなことを言っている。

それに反論する言葉はこちらにはなく、自分だけがおかしいのだと、そう思わされた。

「大事なことは秘密にしておく」

この言葉の意味を否応なしに実感させられて。

それでも誰か共犯者が欲しくて。

だけど打ち明けるのはもう怖くて。

好きなものをなかったことにしたこともあった。

でも、それでも、やっぱり。

誰かに気付いてもらいたいのだ。