新型コロナワクチン接種の記録
南 伽耶子
第1話 新型コロナワクチン接種希望のアンケート~手続き
このエッセイ(?)は
とある都心部の総合病院(軽症のコロナ患者を受け入れている) で働く、非医療従事者のエッセンシャルワーカー南と、その家族のワクチン接種とそれにまつわる手続きや、やり取りを書いたものです。
全4回の予定。
接種そのものよりも手続きについての記述が多いです。
一般の方は自治体の指定する病院や施設での接種になるでしょうが、会社にお勤めの方などは、勤務先や指定医療機関で受ける事になるかもしれません。
その際、個人ベースの書類の記入と違ってくると思うのでご参考(というかフムフムそうか)にしていただければ。(2021年5月1日現在、都市圏では大規模接種会場を設ける方向に進んでいるようです)
自分は入院設備のある総合病院で働いていますが、医療従事者ではありません。
なのに医療者と同様のスピードで接種できるのは、僥倖としか言いようがありません。
以下、淡々と記します。
ワクチンについての資料も画像添付できればいいのですが、サイト的にそういう機能はないのでご勘弁を。
1月下旬。
常駐する病院から、新型コロナワクチン接種に関する意識調査の用紙が配布される。
医療従事者用と思われる仔細な紙の資料で、ファイザー・ビオンテックのワクチンに関する概要、効果と副反応などが記してある。
病院側からは、この添付データ資料を読み、作用と副反応を理解の上、希望するか否かを記入してほしいとのこと。
週明け。
上司から全員にメール。
紙での意識調査(アンケート) は部外者に情報が伝わる恐れがあるため、しない。
かわりに個人メールにするので、各自が希望するしない、しない場合はその理由(副作用が心配など)を上司あて送ってほしいと。
組織として、ワクチン接種の有無で差違をつけることはないので、どちらでもOK。
あくまでも個人の意思。
南、迷わずワクチン接種希望をメールする。
Twitterでの信頼できる先生方からの情報発信や、開発したファイザー社から開示されているデータ、病院から示されたデータで少ないなりに知見は得ていたつもりだし、フェイスブックで埼玉医科大学総合医療センター感染症科の岡秀昭教授の記事を読んでいたこと、リアル知り合いの病理医と発熱外来担当医との会話も、情報を得るのに幸いした。
自分は医療従事者ではないが、病棟で仕事をし、日々高齢の患者さんや重篤な患者さん、そのご家族とも直に接し言葉を交わす仕事なので、院内にウイルスを持ち込む危険は避けたい。
そして、要介護の高齢者と一級身体障碍者と言うハイリスク家族がいるため、そちらにも伝染の危険はある。
偶々ではあるが、一般の人に先んじて接種できるのであれば、これほど喜ばしい事はない。
さあこい、いつでもこいよ、どうかお越しくださいワクチン様である。
フルネーム(戸籍記載名)、住所(住民票記載住所)、生年月日などの情報を送る。
戸籍名や住民票記載住所に限られるのは、自治体との接種情報の共有のためだろうか。
2月下旬
3月上旬の第一回の接種日程が提示され、その中での希望日を尋ねられる。
ワクチンの、病院への納品日が確定していないので、延期になるかもしれないが、との前置きがあり、勤務時間・職場内で他の者と重ならないように調整するという。
南、某日を希望し、通る。接種時間帯は午後の外来終了後。
同時に、解熱鎮痛剤のアセトアミノフェンが必要かどうかの希望調査。
副反応が出た際に頓服で飲む。
南、希望すると返答。
ファイザー社の新型コロナワクチンの副反応に、発熱や筋肉痛の症状があると、資料で読んだため。
接種の際は、肩から腕の付け根までが、すぐにがばっと出せる服装が推奨される。
接種部位が、通常のインフルエンザの筋肉注射よりかなり上になるからである。
具体的にいうと、肩の峰(腕の付け根)から指を横に寝かせて3本分くらい下の部分。
とにかくこのワクチンはナマモノ中のナマモノと言うか、スピーディーに打つ必要があるため、事務用のワイシャツや伸縮性のない制服の長袖シャツなどでは、その場でもたついてしまい時間を食ってしまう。
その人数が多ければロスタイムも半端ない。
今後一般の方が、勤務先で産業医や契約医に打ってもらう事もあるだろうが、この点を念頭に置かれたい。
どうしてもと言う時は、直前にポロシャツやTシャツに着替える場所も設けると提示された。
2月末。
病院から連絡あり。
東京都より、勤務先病院のある区のワクチン配布の目途が立たないとの連絡あり。
よって今回の接種は延期。再開予定は未定。
ただし今回記入した個人情報は、接種再開時にそのまま使うことを検討するとのこと。
接種予定の数日前のことであります。
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