櫻吹雪
わんにゃん
櫻吹雪
桜が舞い散る様は美しかった。
しかし、いつまでたっても終わらなかった。
桜の花弁は次々と降り積もり、1メートルにも達しただろうか。
それでも止まない桜の吹雪は美しくもあり恐ろしくもあった。
櫻子に見せたかったな、と亡き妻に思いを馳せながら私は立ち尽くしていた。
と、突然一陣の強風が巻き起こり、花びらは天に向かって一斉に舞い上がった。
そして、その一角に桜人形のように一人の女の着物姿が形作られた。
…櫻子…
思わず声に出かかったが、あまりの驚きに息を飲んだため、その名前は発せられなかった。
桜人形は、ふっと笑ったように見えた。
そして花びらとして渦を巻きながら天に昇って行った。
私は、櫻子が会いに来てくれたことを理解した。
気がつくと私は泣いていた。空は櫻でいっぱいだった。
櫻吹雪 わんにゃん @wan-nyan
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます