死んだと言われていた王となぜか出会ってしまった

らかん

第1話

「――異世界はチートを使うものだ。そうしなきゃあ、お前はいずれ死に至るだろう」


八月中旬。

猛暑日の中、俺はコンビニに行き食料を買い込んでいた。


「――なぁ、異世界に行くゲートがあるんだって?」

「ああ、どうやらここから――」


ふとそんな声が聞こえる。

異世界に行くゲートだと?

正直言えば、俺は異世界に行きたい。

異世界にいる女の子なんかと戯れたいと思う。

だが、現実世界にそんなものはなく。

でも、その言っていることが本当なら俺は異世界に行けるのだろうか?

少し疑いつつも、その話を聞いてみることにした。


「へぇここが......」

ある山奥の中。

蝉の鳴く声が今となっては心地いい感じに聞こえる。

さて本題だが、ここの山奥には異世界に行くためのゲートたるものが存在するらしい。

もしそれが嘘なら、そんな情報を流した奴を懲らしめようかと考えていた。

「あ、あれか?」

山奥を歩き回ること数分。

ふと木のそばには、異空間らしきものが存在していた。

俺は興味津々にその異空間に近づくと吸い込まれるようにしてその中に入って行ってしまった。


「――ようこそ異世界へ」

「......は?」

目を開けるとそこには、幻想的な空間が広がっていた。

「あれ、気のせいかな?」

いまなんか聞こえた気がするんだけど......空耳だろうな。

「こっちですってば」

「え、なに――うお?!」

声がした方を振り向くと、そこには白いドレスらしきものをきた少女が立っていた。

「き、君は?」

「わたしは、この世界の女神であるレンリーです。私の目的は、あなた様をこの世界でに暮らせるように努める事です」

「え?この世界で暮らすって......どういう」

「あなた様は、このという場所に行きたいと言っていました。しかし、異世界に来たからと言って日帰りのように帰ることはできません」

あ、そっか。たしかに異世界モノの小説とかは、なにか魔王とかを倒さないと現実世界に帰れないとかあるもんな。

ということは......この世界にもあるって訳か。

「ですから、あなた様が現実世界に帰るにはただ一つ」

レンリーは一つ間を開けて口を開いた。


「――となることです」

と、レンリーは笑顔でそう言った。













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