第23話 凶悪たる魔法剣士

とある森にて、蓮見悠助はすみゆうすけは感動していた。


「おいおいおいおい!なんだよこれ!スゲーじゃん!スキルってやべーぞこれ!」


周りにはゴブリンが多数おり、悠助はそれらを倒している最中だった。


「はっ!紅蓮斬!」


持っている刀は炎を纏って、ゴブリンを斬り付ける。

ゴブリンは簡単に両断され、黒い煙となって消えていく。


「ひゃっはー!!すげー!すげーよこれ、魔法剣士!まさに俺、勇者じゃね!?」




悠助は1週間前にゴブリンを倒した。

倒したといっても真正面から戦って倒したわけではない。


深夜に仕事から帰っていた悠助は、路地裏の方で何かの声が聞こえた為、そちらに意識を向けた。


するとそこには瀕死のゴブリンがいたのだ。そのゴブリンは全身火傷状態で倒れていた。悠助は上を見るとそこには電線があり、途中で切れている状態だった。


恐らくゴブリンは、電柱を上り電線に触れたところ感電して深刻なダメージを負ったのだと推測した。


悠助は以前ニュースで、ゴブリンを倒すとステータスが手に入ると言っていたのを覚えており、丁度護身用の警棒を持っていた為、必死で警棒でゴブリンを叩きつける


「うぉおおおお!死ね!死ね!死ねぇえ!」


数十回叩いたところ、ゴブリンは黒い霧となって消え、悠助はステータスを獲得した。


ステータスを獲得した際に、「天賦の才」というスキルを初期から持っていた。

天賦の才は、持っているだけで発動するパッシブスキルであり、すべてのステータスに補正が入る他、レベルアップ時の成長についても補正が入る。

またそれだけではなく、複数の職をマスターしていないと転職することができない魔法剣士に最初から転職することが可能で、魔力操作がなくとも魔法が発動できる強スキルだ。


悠助は現在22歳。

髪型は少し長めのストレートで7:3に分けているがそれが似合っている。

母親が金髪の欧米人でその血を多く受け継いでおり、悠助の髪色は金色だ。

目はキリっとしており鼻は高い。

いわゆる美男子というものだ。その為よくモテる。


この容姿が役に立ち、現在悠助は若手俳優として名を挙げている。

しかし女癖は非常に悪かった。


「うはー!こんな強かったらまたモテちまう。そろそろ今の女達も飽きてきたし、違う女喰うかなー。」


女のことを考えながらも、油断なくゴブリンを一刀のもとで断つ悠助。

これも天賦の才があってできることだ。


「そうだなー、…イリスだなぁ。あいつ俺の事ぜんっぜん興味ない目をしてたからなぁ!!」


語気を強めると同時にゴブリンへの斬撃も強力となり、一撃で2体のゴブリンを屠る。


「あぁ~。あいつ、俺ので突いたらどんな感じで鳴くのかなぁ。ふへへぇ。」


笑いと同時に美男子であった顔は醜悪な顔に変貌する。


「そういえば、今度一緒に撮影があったなぁ。そん時にでもヤらせてもらうか。」


そう言って最後のゴブリンを斬る。


「うほっ、レベルアップ。また強くなっちまった。俺よりつえぇ奴なんていねーんじゃねーの?あはは。さて、帰って寝るか。」


悠助は真っ暗な森の中に消えていく…。



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