0-6「肥大化」
「コイツ、水を吸ってるのか…⁉︎」
(泥は水と土の混合物、その粘り気は土の性質や水との比率で決まる。コイツの身体を構成している物質は、恐らく土に似た性質を持つ怪人細胞と水…)
黒谷は、泥怪人の身に起こったことを考察する。
(さっきの滑らかすぎる切れ方に、この肥大化。考えられる可能性は、コイツが水をどこかから吸収してサラサラになっている、という事だ…)
「でも、一体どこから…?」
思考を巡らせる黒谷、それを遮るように泥怪人が突撃してくる。
肥えた泥怪人の突進は、持ち前の反射神経を駆使するまでもない程に遅く、軽々と回避される。
攻撃を躱された泥怪人は、またもや転倒し、四散。その一部は黒谷に降り掛かる。
「チッ、またか…ん?」
身体にかかった泥に悪態を付いたその時、黒谷はある事に気がつく。
「これって…」
黒谷の目に入ったのは、道路一面に広がる蠢く泥。
「そういう事か…!」
(コイツを倒す方法、分かったかもしれない!)
泥怪人はさっきより早く人型を形成していく。その身長は既に黒谷の倍以上となっていた。
黒谷は泥怪人が復活したのを確認して、その身体を反転させる。
「こっちだ!」
泥怪人を一言煽り、どこかへと走り出した。
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