久々に、文学作品読んだ気がします。
最初の淋しげな雰囲気からの展開に、たまごをテーマにこんな風に話を描けるのだと感嘆しました。
面白かったです！

　侑奈にとってケーキは想いだったわけですよね。その想いは誠哉に少なからず伝わっていたからこそ、彼は自分と侑奈の関係を大丈夫だと思っていたのでしょう。しかしお菓子だけじゃ想いが伝わっても、伝わっているかどうかの真偽は侑奈にはわからないわけで……。侑奈が思い悩むのも仕方ないですね。
　でも蒼平のおかげで言葉が足され、二人の想いは通じた。優しくてまろやかなラストでした。蒼平はいい奴ですね。「蒼平による寝取られか？」と思いながら読んでいた自分の心が黒ずんで汚れていたようです。

　ところで感嘆符の後ろに空白がなかったり、台詞の終わりに「。」がついていたり、記号作法が守れていない箇所が散見されます。直した方がいいです。
　こんな七面倒なルール、ネット小説にムリに当てはめる必要は正直ないと思うのですが……。こちらの作品の場合、せっかく綺麗な文学作品なので、小説としての体裁は守った方が良いかな、と。

　ごちゃごちゃ長文で偉そうに語りましたが、物語そのものは良作品でした。ありがとうございました。