私たちの白昼夢

入り組んだ路地奥には寡黙な中庭。

壁に並んだ精巧な仮面マスクは何のため。

したたり落ちる緑は闇の気配に満ちて

気だるげな花たちは未だ微睡まどろみの中。

長く生きているとね、

昼の光もスパイスなんだよ。

手に持つはいに酔った振りして

私はしばし彼に見惚れる。

赤い唇が三日月のように弧を描いた。

優雅なる昼下がりの夢。

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