月夜の浜でいつか

沈んでしまった船のことなど忘れなさい。

浜に向かう私に皆が言った。

二度と見つかりはしないわ。


綺麗なテーブルクロス

豪華なティーセット

珍しい茶葉だって。


私は黙って微笑んだ。

でもね、

私の大切な人には

積荷にはないものがある。


彼の輝く青い鱗が

運んでくるだろう再会を胸に

私は今夜も月の浜を行く。

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