新しい海への船出

草の大海原おおうなばらを行く船上で問う。

花の海にはいつ?

そうですね、すぐとも気の遠くなるような先とも。

願うことで生まれ

想い重ねることで育ちほころぶ。

それが花の宿命ですから。

まずはお聞きしても?

あなたの大切な方はどんな方でしょう。

胸の奥がざわりとした。

遠く色めき立つ気配に震えずにはいられなかった。

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