翼をたたむ時間

ギシギシと狭い階段。

登りつめた窓の向こう。

屋根瓦の波の上を雲が走り去る。

いい風だ、乗るなら今。

まるで迎えのように、

天からの梯子が間近に見えた。

でもまだ行かせない。

傷癒えた私の翼をあなたが抱きしめる。

振り返り私は微笑んだ。

瞬く間の人の世もきっと愛おしい。

今はただこの熱に溺れようか。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る