待ち望んだ夜

久方ぶりに海は後退し

現れ出た岩盤が満月のもとほのかに光る。

ここかしこ、目覚める青き宮廷の命たち。

待っていたよ。

世界についてのお話、途中だったもの。

輝く鱗、あなたが無邪気に微笑んだ。

ああ、ようやく。

安堵の息を吐き、再びそっと胸にかきいだく。

あの日海に落としてしまった、私の大切な月光を。

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