僕らの秘密

裏口を出れば庭はまだ眠りの中にいた。

やがて薄闇の中を

白銀の鱗を煌めかせた蜥蜴が横切り、

蕾がゆっくりとほころび始める。

白い花たちは月の眷属。

その光の中でのみ咲きこぼれて微笑むもの。

さあさあ、夜の始まりだ。

僕は約束通りにやってきた君を振り返って

腕を広げる。

僕らの月光庭園にようこそ。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る