靑蝶



かはひらこ野邊のべにそ群るる舞ひかてぬかはひらこそも月草の花



かはひらこはたひとかほ月草は舞ひかねつともみてむかも



◇短歌



 『萬葉集』に蝶を詠める歌無しと聞く。

 「蝶」の古訓は『新撰字鏡』に「加波比良古」とあり、これより古き倭名わみやうは知らず。『新撰字鏡』は中古に編まれしかば、上代の訓、つはひらかならねど、この二首には「かはひらこ」を用ふ。

 或いは、蛾を示す「ひひる」、蝶をも示せるにやあらむとも思へど、定かならず。






  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る