萬葉調歌謠 ― かみつよのうた ―

すらかき飄乎

妻と山の小徑を

  と山の小徑を辿たどれるを詠める謌一首あはせて短謌



櫻散り卯の花ふふむ足曳あしひきの山の小徑こみちと共にさくみし行けばたたなはる八十隈やそくま落ちず木の芽吹き鳥は頻啼しきな見放みさくれば空おぼほしく徘徊たもとほり巡れるくまくまを落ちずみちさがしみ若艸わかくさが手を取りて磯廻覓いそみまぎいき下れば潮の香もただよへるなへ細徑ほそみちややく開けてかたはらのおどろを見れば蔓延つるはへる基木もときの枝もとををにそ千萬ちよろづの花うべうべく咲く花を見まくり來つるにあらね思はへず盛りの花は緣白ふちしろ裡紫うちむらさき饒饒にぎにぎ滿滿つ咲ける頻頻しくしくも咲く咲く匂ふ三枝さきくさの花


柔手にこでなす若葉の指も反りかてに花にとをよる三枝さきくさむら



◇長歌幷短歌


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