第9話 呪いの鎖 その1

 今回は、前回から10日程経った話です。


 〈来るぞ〉と祠の神様からの注意が有った直後、ポケットベルが着信。誰かと思ったら銀座のデパート、占いブースの担当者から。

「○○先生、急なお願いで申し訳ないのですが・・・」

 急に占い師が2人も休んだとの事で、僕はOKと公衆電話で返答しました。丁度、催し物会場で物産展を開いていて、客寄せの一貫で占いブースも4人体制でした。


「休んだのは□□先生、△△先生ですね。2人共に霊感が有りますから・・・危険を感じて休んだのでしょう」

「○○先生、まさか又・・・」

「あの時は悪霊なので、今回は多分手強いです。又、日本酒と塩を、前回の残りが有ればお願いします。催し物会場と占いブース、略式ですがお祓いを遣ります」

 もう催し物会場は開いていたので、無言で手を合わせるだけのお祓い、後は盛り塩を四隅に置き終了。占いブースにも盛り塩、特に自分が使うブース席は念入りに。

 午後4時頃まで占いのお客のみ、問題の呪われた女性が来た。


「○○先生の本職は祈祷師ですから、他の先生方とは違って良く当たりますよ」

「●❌深雪(仮名)さん、お席にどうぞ。失礼しました、美咲(仮名)さんですね」

 席に座る前に出来るだけ名前を当てる、服装がジーンズとポロシャツでも信用される訳です。

「どうして、私と妹の名前を? 予約表の紙にも本名は書かなかったのに」

「神様から教わりました」

「・・・相談は双子の妹、深雪の事で」

「分かってます。深雪さんの部屋に、誰か霊能力者が居ますね。お時間は有りますか? 流石にここからでは遠いので、これから訪問して宜しいですか? 多分、明日の朝まで掛かります」

 担当者に今日は終了を伝えて、美咲さん達の自宅マンションへ。


「おお、靖国神社で出会った龍神様のお使い、貴方でしたか」

「あの時のお婆さんですか。僕が参加しても宜しいですか?」

「わし1人では(魂を)持って行かれてしまう所を、本当に助かった」

「美咲さん、塩のお握りを8個、お願いします。握る時に心の中で、深雪さんの事を神様に祈りながらで。後は途中で買った日本酒、盛り塩用の小皿も」


 次回に続く。

 

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