第3話 祖父の家と祠 座敷わらし
祖父の家には家訓が有りました。
『居る筈の無い子供と遊んだ者を跡継ぎにせよ』(現代語に翻訳)
はい、祖父の家には座敷わらしがいました。本当は妖怪では無く、祠の神様の部下(龍神)で教育係です。
未だ祖父の家に引き取られる前、小学2年の前半までは実家から行きました。祖父は孫達を全員呼び寄せ、様子を見ていました。
従兄弟達の中で僕が一番の年下、僕と近くても中学生、祖父の家に居た従兄は三十代後半の大人。
「遊ぼう」と同じ位の子に話し掛けられて、遊んでいる時には気付かない。あんな従兄弟はいないと、分かった時にはもういない。
祖父の家の中だけの遊び、かくれんぼ、鬼ごっこ等、もちろん祖父には見えていました。しかし、祖母、他の従兄弟達には見えない、声も聞こえない。
変な子、可笑しな子、一人で何を遣っているんだ?
役目を終えた座敷わらし『祠の神様の部下(龍神)』は、祖父が亡くなると祖父の家から出て行きました。
祖母は祖父の遺言、家訓まで無視、内孫を跡継ぎにしたからです。まあ、現代では当たり前ですが、祠の神様の考えは違います。
今現在、祖父と祖母の家は無人の空き家、田んぼ畑、山、収入源の養鶏場、家土地、祖母達が他人に売り渡していました。
祖母も内孫の従兄も、祖父の死から1年以内に亡くなりました。祠の土地だけが僕に残りました。
信じるか信じないかは読者次第ですよ、もちろん。
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