タルチネ
むーこ
第1話 タルチネ
高逢春が初潮を迎えた年、彼女は『高家の一人娘』から『タルチネ』へと変わった。
タルチネとは母胎を意味する古代語で、逢春の育った村においては性的に共有される少女をこのように呼んだ。
タルチネは初潮を迎えた少女達の中から、村長の家に代々伝わる卜占によって決められる。タルチネに選ばれた少女は村の中心にある小屋に幽閉され、村長によって破瓜させられた後、成人を迎える男子の来たるべき初夜に向けての練習台にさせられる。
逢春は村でたった1人の少女であるゆえに、便宜的な卜占のもとでタルチネに選ばれた。彼女は日付も変わらぬうちに小屋に連れ込まれ、村長によって貞操を破られた。下腹の奥を裂くような痛みに逢春は泣き喚き暴れたが、でっぷりと太った村長の身体を非力な逢春が跳ね除けることなどかなわず、顔に降りかかる口臭と下腹の痛みに堪えながら時が経つのを待った。
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