第11話 交流試合準備

交流試合が決まって次の日、棗からお使いを頼まれた。春さんともう一人

「なぜうぬも行かなくてはならんのだ!!」

相当ご立腹の優加と一緒に。なんで来るよう行ったんだろう邪魔なだけなのに。

「女の子ならもっと大人しくしな?はしたないよ」

「おぬしも女じゃろうが」

「僕はいいんだ。そういう性格だからね」

性格なのか?

「聞こえてるからね。性格だよ」

あ、ごめんなさい

「とにかく頼まれたもの買って帰るよ」

まずは長門さんから頼まれた釘5ダース、、、5ダース!?

「これってこんなにいるんですかね?釘」

「まぁ、頼まれたら買うしかないね」

「あづい~~」

工具店に入ると冷房が店員よりも早く挨拶してくれた。

「くぅぅぅぅ!!これじゃこれじゃ!涼しい~~」

「わかったからついてきてね?」

「わかってるのじゃ。ゆっくり選んでくれの?」

絶対長くいたいからだろ、、、

「え~っと、釘のコーナーは」

「こっちだよ」

春さんがひらひらと手を振ってくれている。

「仕事早いなぁ」

「ゆっくりと言ったのに、、、」

コーナーに行ってみるとたくさんに種類の釘が並べてあった。

「どれ買えばいいんだ?」

メモ帳見てもサイズなんて書いてない。どれだ?

「、、、、全部買う?」

「全部!?そんなお金無いですよ俺」

「僕が払うから大丈夫だよ。こうなるなら棗呼んだらよかったな」

春さんが店員に話しかけに行く。

「全部買うのなら時間かかるかの?」

「多分ね。しかも5ダースだからね」

「ということはもっとここに居られるのか?」

「そういうことになるな」

優加がガッツポーズをとる。そんなにか?

「一時間待っててだって優加君残って待ってる?」

「うむ!ここで待っておればいいんじゃな?」

「うん。じゃあ僕たちは他のお遣いに行ってくるからね」

優加を置いて店を出る。次は?

「陸奥のだね。絆創膏、滑り止めクリーム、ピアノ線、兄。だって」

「多いし無理なものあるじゃないですか」

「家に帰って長門を陸奥の前に置こう」

そんな手段でいいんだ。

「とにかくイロン行こう。多分そろうから」

近くのイロンへと足を進めていく。

「ここ結構いい街でしょ」

「あ、はい」

道中春さんがこの街のことを教えてくれた。昔は治安が悪かったけど第二前衛部隊

がここまで復興させたらしい。

「そんな人たち相手に勝てるんですかね?」

「大丈夫だよ新人君。僕がいる」

俺よりカッコいいじゃん、、、

そんな会話をしてるうちにイロンに着いたがなんだか様子がおかしい

「なんかあったんですか?」

「イロンの中に強盗が入ったらしいの。怖いわぁ」

強盗なんて今時、、、、

「新人君行けるかい?」

「行くって中にですか?」

「当たり前だ。武器は素手、鬼力があれば行けるでしょ」

「でも中にいま優加がいないからうまく使えるかどうか、、、」

「いいから行、、、いや行かなくてもよくなった」

「?。どういうこと、、、は?」

俺は後ろから小突かれてよろける。後ろには3mを超える大男が立っていた。

「ごめん。どおらぜでぐで」

鼻声でしかも服を重ね着してるせいか横にも大きく見える。

その後ろからは褐色のエルフが歩いてくる。

「ごめん子猫ちゃん。伯爵様たちは制圧に行ってくるからね」

そういって二人はイロンの中に入って行った。

「なんなんだあいつら」

「あれが第二前衛部隊。試合相手だよ」

「あれが?」

そんなに強そうに見えなかったけど、、、

「ただいま、子猫ちゃん」

急に肩に手を置かれる。振り返るとさっきの褐色エルフがいた。こんなに早く帰って来たのか?まだ4分もたってないぞ?

「さっきは叶がごめんね?こんなにカッコいい子を突き飛ばすなんてわかってないね」

「あ、はぁ」

「おわっだがらどっどどがえろうよ」

「待ってくれよ。君が突き飛ばした子を慰めてるんだよ?君は何も言えないはずだよ。お詫びとしてはなんだけど子猫ちゃんが欲しがってるこれあげるよ」

エルフから袋を渡された。中身は陸奥のお遣い内容の品だった。

「なんでこれを、、?」

「それは秘密だよ子猫ちゃん♪」

そういって歩いて行ってしまった。あんな人会ったことない、、、

「ほんとやめて欲しいよな。僕があいつ苦手だな」

「まあまあ。集まったんだし帰りましょう」

「そうだね。帰ろう」

「あやつら遅いのぉ。こんなに釘持たせて待たせるなんて、、、くちゅん!」

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