銀の犬

ハメリュ

第1話

ある日の事、あおいは学校の帰り道大きな銀色の犬を見かけた。

大きくて、少し怖かった。

犬はあおいの方を振り向いて、じっと見つめてから、山の方に駆け出していった。

また、会えるかな…なぜか僕はそう思った。

家に帰って妹たちと、遊んでいても、あの銀の犬が気になってふと、窓の外を見た。

黒い影が、林の向こうにたくさん見えた。

大人たちが、薪火をかざしながら、何かを探している。

そこに、母ちゃんが帰ってきて。

「外には出ないで。どでかい犬かなんかを、藤平さんが見たそうだから。子供は危険だから山へは行くなって。」

妹たちは、「怖いよ〜、お兄ちゃん、一緒に寝ようよ。」

と怖がった。

(さっきの、銀の犬だ。)俺は思った。そんな危険な犬には見えなかったが…おれは、その犬を見たことは、黙っていた。

また会いたいと願った。どうか、捕まらないでくれと。


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る