第5話  不思議なファウルとおかしなカード

女神は信治に向かって優しく話しかける。

「代表的な種族を紹介しました。おいおい分かっていくと思います。それでは少数の種族にもまつわるファウルと特別なカードがあります。少し説明しますね」


〇ウィングアタック

 背中に翼を持つ種族のファウルで、翼を広げて、進路を妨害したり、ハイボールを競り合う時に翼を使ってプレーを妨害する時に取られます。翼は手の扱いとなります。


〇イリーガルユースオブハンズ

 元々はバスケットボールの用語だったのですが、混沌勢がやたら腕のある種族を生み出したりして、反則の定義が分からなくなるので作られたルールです。簡単に言うと腕を用いたプレーの妨害に取られます。普通にユニフォームを掴んだり、肩を掴んで移動を制限したりと極端な場合とられるファウルです。たまにヘカトンケイルなどのたくさんの腕を持つ種族が無意識に行うことあります。


〇魔法の禁止

 ピッチ外での治癒魔法を除いて、ピッチ内外や観客の魔法の行使は禁止されています。魔法の基本は願いと祈りで、観客からの多くの力が集まり、無意識に魔法が発動する事がありますが、その力を魔法に変換する事は故意でないしろ、魔法の行使により不利益を得たチームの関節フリーキックで試合が再開されます。ゴブリンは力が弱いのですが、真摯な祈りと願いを発動させやすくなっており、ゴブリン軍団と言う特殊能力を持ちます。ゴブリンたちの場合、ファウルをする時のダメージと命中率が上がるので、問題は無いとされています。全てのゴブリンのサポーターを冷静にする事はできませんからね。


〇飛行の禁止

 空を飛んではいけません。空を飛ぶ種族などが地に足を着けてプレーするのも明科話なのですが、サッカーである以上、空を飛んでプレーは許されません。30未満のジャンプは許されています。ジャンプの滞空時間が過ぎて、ボールを保持していた場合、ファウルとなり、空を飛んでない側のチームから間接フリーキックで試合が始まります。


基本的に普通のサッカーするためのルールですから、おかしなところは無いと思います。次に信治さんとの世界と違うルールに伴うカードがあります。


〇グリーンカード

些細なファウルとイエローカードの間にある警告を超える場合時に出されるカードでピッチ外に出て5分間の出場停止になります。イエローカードは試合ができますが、累積二枚目でレッドカードになりますが、グリーンカードは累積がありません。グリーンカードを出された場合、相手チームのフリーキックで試合が再開されます。


〇ブルーカード

 これは混沌神や私に反逆するプレーをしたと判断された時に出されるカードです。冒涜的行為のカードです。例えばピッチに唾を吐くとか、人族同士が暴力をふるう時に出されます。15分間の懺悔の祈りをピッチ外で祈らねばなりません。


「信治さん以上が特殊なルールとカードの種類です。基本的にいろいろな種族が存在しているためにルールが変わっていますが、普通にプレーしていれば違和感が無いと思います。後、始まりの合図はキックオフではなくて、Pray,now今から祈ろうになります。私に対する奉納試合ですからね。活躍を期待しています。後は勇者召喚を待ちましょう。完璧な肉体に体を再構成して送り出しますよ」

詳しいルールに信治は戸惑っていたが、多種族でサッカーをするのには仕方ない。

静かに自分のサッカー魂に炎が付くのに気が付いた。

そしてにやりと笑う。

「楽しいサッカーの時間の始まりだ」

信治はそう呟いていた。

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