マッド四国 怒りのお遍路ロード

マッド四国 怒りのお遍路ロード 1

1.

2208年2月16日(火) PM10:20


「未成年向けデリヘルスタッフ 対未成年性交認定2級資格以上…資格を持ってない、次」

「製品組み立てスタッフ アンドロイド同伴可!期間3か月満了でボーナスリソースポイント支給!…何の意味もないガラクタを組み立てては解体する仕事はノーサンキュー、次。」

「マスター、いったい何をされているのですか?」

気がふれてぶつぶつ独り言をつぶやいているようにしか見えない俺を見て、ハナが心配そうに話しかけてきた。

「どうも最近刺激がたりなくてさ、久々に労働でもしようと思って、求人情報を覗いていたんだ」

そう言って俺はハナのインプラントにAR画面共有のリクエストを送信した。

「労働ですか、改めてみるといろんなお仕事があるのですね。」

「ああ、でも自分の条件に合う仕事となると意外とないもんさ。」

たいていの仕事はアンドロイドやメカの方が上手にやれる時代、人間向けの仕事の大半は、コンピューターが作成した、特に意味もない謎部品を作る工場作業がほとんどだ。

たまに個人経営でやっている人間オンリーのバーなどもあるが、こういった求人は人気が高くなかなかでてこない。

「とりあえずアンドロイド同伴可、謎部品を作る仕事以外で、期間は1~3か月、多少の危険がついても構わないって条件で探しているんだけどね。」

「ではどうして、条件外の仕事も見られているのですか?」

「その条件で見つからないから…時間つぶしも兼ねてね…」

その時、自分の条件に合致する求人が出されたことを告げる通知がARモニタ上に表示される。

『四国のナチュラリストコミュニティへの物資運搬作業、および現地での支援作業、期間は1か月から最大3か月(支援の進捗により変化)。

アンドロイド同伴可※1、作業中に死亡の可能性あり、生死にかかわらずリソースポイント支給有※2 ※1同伴はA級アンドロイドに限る※2一定の条件あり』

「そうそう、こういうの探していたんだ!」

俺は詳細もろくに読まず急いで応募リクエストを送信した。

1分もたたないうちに求人への応募が承認された旨と、事前説明会の日時が送られてきた。

「事前説明会は3月21日の13時より、添付されたVRエリアの座標で実施。仕事は4月10日から最長7月10日まで、アンドロイドはA級量子計算機搭載型に限る」

ハナとミクはどっちともA級アンドロイドだし問題はない、期間も夏コミと被らないので問題なし、作業中の死亡も常時バックアップと同期していれば現地でミンチになろうと生き返れるので何も問題なし。実はいまだにバックアップを使用するような事故やけがをしたことないので、死なずに済むならそれが一番いいのだが。

それに普段は一般人が立ち入れない四国エリアに入れるというのは魅力的だ。

死亡するかもしれないってのもちょっと大げさに書いてあるだけだろうしね。

とはいえまずは事前説明会に参加することだ。

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