2208年1月11日(月)祝日 7
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2208年1月11日(月)祝日 PM18:30
計った様に18時半ちょうどに今夜の夕食ができあがり、ミクが俺のもとに食事ができたことを伝えにやってきた。
「ルカにぃ~、ごはんできたよ」
夕食前に体を洗う派の俺は、既にシャワーを浴び終わり、あとは夕食を取ったら特に予定なしの状態だ。
ちなみに我が家のふろ場は二つある。一つは20世紀終わりから21世紀初頭にかけて使われいた、昔ながらのノステクなふろ場、そしてもう一つは自動洗浄機能付きの広く普及している身体洗浄機だ、洗浄機の方は昔のガソリンスタンドにあった自動洗車機みたいな外見をしている。
中に入るとあらゆるところからアームがせり出し、有機素材で作られたブラシと、洗浄液で立っているだけでいたるところを綺麗にしてくれる優れものだ。
ちなみにジムにあるシャワー設備もこっちの方だ。
使用済みのブラシ部分は廃棄後自動的にリサイクル槽に送られ、素材としてリサイクルされる。
次に使うときは新しいブラシに交換されているので非常に衛生的だ。
ただ自分の家では俺はこっちの身体洗浄機は使っていない、逆にハナやミクは事後にふろ場で洗いあう時か、そこでセックスする時を除けば身体洗浄機の方しか使わない。
実際の所、現代においてノステクのふろ場なんてものは、第一世代かナチュラリストの懐古主義でしかないのだ。
話を戻そう。
昼がラーメンとこってり系の食事だったので、今夜の夕飯はあっさりめな献立だ。
具体的にはご飯に豆腐のみそ汁、小松菜と油揚げの煮物、ブリの刺身といった、まさに王道を行く和食ってところだ。ちなみにぶりは無料で手に入るフードプリンター製ではなく、リソースポイントを支払うことで手に入れられる養殖ものだ。
普段ならわざわざリソースポイントを浪費してまで養殖物を使うことはないのだが、今年はリソースポイントをあまり使っていなく、かなり余らせている状態なので、ちょっと無駄遣いをしてみたといったところだ。
今日食べに行ったラーメンの話や、ハナが個人的に製作している同人誌の原稿の話、ミクが気になっているおもちゃの話など、他愛もない会話を交わしつつ今日の夕食もいつも通りに進んでいく。
夕食後、後片付けをハナとミクに任せ、俺はまたソファーに寝ころんで小説の続きを読み始めようとしたところで、明日も今日行ったラーメン屋に行くことを店主のおやじに連絡することを思い出し、インプラントのメッセージアプリを立ち上げた。
明日11時半頃 またいきます…と、
必要最低限の情報だけ書き、AIの校正機能を立ち上げ、TPOにあった文章になるように指示をする。
こうすることで、おやじさんのパーソナルデータ、性格を参照したベストな文章が完成するわけだ。
ちなみに校正された文章はこんな感じだ。
『明日の11時半頃、またいきます。』
こういうこともたまにはある。
親父さんあてにメッセージを送信して、洗い物をしている二人にスキャンモードを実行する。
所有しているアンドロイドにスキャンモードを実施することで、彼女達の健康状態やメンタルヘルス、今の気分や、今何を考えているかまで、オーナーは知ることができる。
さらには今の感情や気分までも、オーナーの気分次第で変更可能だ。
つまり自分がセックスしたい気分で相手がその気分じゃない時でも、この機能を使えば簡単にセックスに持ち込めるわけだ。
しかし、アンドロイドの感情や気分をオーナーの手で弄る行為は推奨されている行為ではない。
この機能を乱用すると、アンドロイドの精神の情緒面に著しい障害が発生し、人間でいう正気を失った状態になってしまうからだ。
こうなってしまうと、感情や気分をこっちでいくら操作しても受け付けてくれないし、そうなったアンドロイドは強制的に廃棄処分されてしまう。
そんな悲しい事にならないためにも、アンドロイド相手でもセックスに誘うには人間と同じようなアプローチをする必要がある。
もっとも彼女達は最初にメンタルモデルを設定する際に、マスターに対して最初から非常に高い好感を持たせてある上に、とてもエッチな性格にしてあるからセックスに誘うのはとても簡単だ。
俺はソファーから立ち上がり、洗い物をしているハナの後ろに立ち、おもむろにお尻を撫でまわし始めた。
するとハナは少しびっくりした反応をした後、すぐにとろんとした顔になる。
「マスター、ここではだめです。洗い物が終わったら準備して向かいますから、先にプレイルームで待っていてください。」
横を見るとミクも同様にとろんとした顔で俺の足に体を密着してこすりつけている。
「じゃあ俺もミクと一緒に準備してプレイルームで待っているよ」
そうハナに伝え俺は夜の自由時間を楽しむべく、ミクと共にプレイルームへ向かった。
-記憶領域に重大な損傷、回復不能-
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