第5話
5月13日の朝8時半頃であった。
場所は、女性が暮らしているアパートにて…
女性がアパートを出発してから40歩先に宗助がいた。
宗助は、満面の笑みで女性に近づいた。
「おはよう。」
「なによあんたは!!」
女性は、宗助に接近しないでと怒った。
宗助は、なれなれしい声で女性に言うた。
「ぼくは、君とお話しがしたいのだよぉ…」
「イヤと言うたらイヤ!!」
「ぼくは、君の婚約者さんの職場の同僚なんだよ…」
「イヤ!!接近しないで!!」
女性がイヤといよんのに、宗助は『さみしいさみしい…』と言うてシツヨウに愛を求めた。
(ピッ…)
宗助が女性に対して愛を求めている様子が、電信柱に設置されている防犯カメラに記録された。
(カシャ、カシャ、カシャ、カシャ…)
同時に、近所で暮らしているチクリオバハンがスマホのカメラで撮影された。
チクリオバハンは、撮影した写真を自らのインスタグラム(SNS)にアップした。
そのせいで、さわぎが拡大した。
時は、朝9時半頃であった。
場所は、今治新都市のイオンモールの従業員口にて…
宗助は、従業員口で女性を待ち伏せていた。
そこへ、女性が登頂した。
「待ってたよ。」
女性は、し烈な悲鳴をあげながら逃げ出した。
「待ってくれよぉ~」
宗助は、逃げ出した女性を追いかけた。
この時、別の従業員さんがことの一部始終をスマホで動画撮影していた。
問題の動画は、イオンモールの事務局の電子メールに送信された。
その上に、宗助がマイナンバーカードを落としていった。
別の従業員さんが、宗助のマイナンバーカードをひろった。
それが原因で、従業員さんたちが激怒した。
うちの女性従業員さんをストーカーしていた男が同じイオンモールの女性従業員のダンナのきょうだいだった…
絶対に許さない!!
時は、10時40分ごろであった。
ところ変わって、イオンスタイルの西側の入り口付近にある龍神丸(土佐料理のレストラン)の前にて…
清掃の仕事がひといきついたみわこは、龍神丸の前にある屋外テーブルに座って休憩していた。
そこへ、イオンスタイルの女性従業員さんが叫び声をあげながらみわこの前にやって来た。
「築山さん!!あんたこんなところでなにしてるのよ!!」
なんで…
なんで怒鳴り声をあげているのよ…
みわこは、ぼんやりした表情でつぶやいた。
女性従業員さんは、ものすごく怒った声でみわこに言うた。
「築山さん!!やっぱりあんた方の家のご家族だったのね!!」
女性従業員さんに怒鳴られたみわこは、ものすごくコンワクした声で言うた。
「あの~、一体なにがあったのでしょうか?」
女性従業員さんは、し烈な声でみわこを怒鳴りつけた。
「築山宗助は、あんたのなににあたるのよ!?」
「宗助さんは、アタシの義弟ですけど…」
「あんたの義弟が女性従業員さんにストーカーしたことが原因で、全従業員さんたちが激怒しているのよ!!」
みわこは、泣きそうな声で言うた。
「ですから、義弟が犯したストーカーとアタシとどう言う関係があるのよ!?」
「義弟が犯したストーカーは、兄嫁であるあんたが全部悪いのよ!!」
ひどい…
あんまりだわ…
義弟が犯したストーカーの原因が全部アタシにあるなんて…
あんまりだわ…
女性従業員さんは、みわこにボロクソに言いまくった。
「時と場合によっては、あんたも共犯者でケーサツにしょっぴかれるわよ…人の話を聞きなさいよ!!」
「なんでアタシまで逮捕されなきゃいけないのよ…アタシにどんな落ち度があると言うのよ!!」
みわこは、泣きそうな声で『ひどい、あんまりだわ…』と言うた。
その時であった。
イオンモールの案内所の女性が、ものすごくおたついた様子でみわこのもとへ来た。
案内所の女性は、コードレスホンの子機を持っていた。
「築山さま、お電話がかかっています…」
「電話…」
「義妹さんから電話です。」
電話は静江からであった。
子機を受け取ったみわこは、急いでことの次第を伝えた。
「もしもし…静江さん…静江さんたいへんよ!!…おにいちゃん(義弟)がイオンモールの従業員口で女性従業員さんにストーカーしていたのよ!!…もしもし聞いているの!?…早くイオンモールへ来てよ!!」
みわこは、必死になって静江に呼びかけていた。
静江は、つらそうな声で『それどころじゃないわよ…』とみわこに言うた。
みわこは、受話器ごしにいる静江に呼びかけた。
「なに言うているのよ!!あんた今どこにいるのよ!?…ガッコー…」
静江は、秀祝が通っている私立高校にいると言うた。
「そんなことよりも、イオンモールへ来てよ!!おにいちゃんが女性従業員さんにストーカーしていたのよ!!…秀祝がどうかしたのよ…秀祝が大ケガを負った…秀祝が大ケガを負ったから大至急来てって…秀祝はあとまわしにしてイオンモールに来なさい!!」
(ガチャーン!!)
ブチ切れたみわこは、電話をガチャーンと切ったあと両手で髪の毛を思い切りかきむしりながら『キーッ!!』と怒った。
子機を案内所の女性に返したみわこは、ポーチの中からギャラクシー(スマホ)を取り出して、ライン電話のアプリで家に電話した。
よしえが電話に出た。
「もしもし、すみませんけど秀祝をガッコーへむかえに行ってください…非常事態が発生しました…」
受話器ごしにいるよしえは『分かったわ…』と言うて引き受けた。
このあと、みわこは大事を取って帰宅することにした。
事務局に明日からしばらくの間休むことを伝えたみわこは、帰り支度をすませたあと車に乗ってイオンモールから出発した。
みわこが運転しているトヨタイプサム(ミニバン)は、イオンモールを出発したあとしまなみ海道の今治インター付近の交差点から市の中心部へ向かう道路を通った。
このあと、みわこは弓華が通っている小学校へ行った。
弓華を引き取ったみわこは、市内にある児童一時預かり施設へ向かった。
この日から当面の間、弓華は一時預かり施設で滞在することになった。
(弓華が預けられた一時預かり施設は、お泊まりができる。)
一時預かり施設に弓華を預けたみわこは、家に帰るのがこわいので、今治市内を車で逃げ回った。
ところ変わって、石井町の家にて…
秀祝がよしえと静江と一緒に帰宅した。
頭に包帯が巻かれて、左の小指にギブスがはめられていた。
「クソー!!ふざけんな!!」
秀祝は、よりし烈な叫び声をあげた。
秀祝は、授業中に家から通いの男子生徒に『遊びに行ってもいい?』と言うたことが原因で、男子生徒から暴行を受けた。
その際に、頭を殴られて小指をかまれた。
それによって、大ケガを負った。
よしえは、ひどくゲッコウしている秀祝をなだめた。
「落ち着きなさい!!」
「ふざけんな(加害者の男子生徒)!!寮にいるのがイヤなオレの気持ちを踏みにじった!!」
「落ち着きなさい!!静江!!早くふとんをしきなさい!!」
「すぐにしきます。」
それから3分後に、大ケガを負った秀祝はよしえと一緒にふとんがしかれた部屋に入った。
ふとんに入った秀祝は、ふとんにもぐり込んだあと泣き叫んだ。
「クソー!!宗助のせいだ!!宗助のせいでオレの居場所がなくなった…宗助をヤツザキにしてやる!!ワーーーーーーーーーッ!!ワーーーーーーーーーッ!!ワーーーーーーーーーッ!!」
ごめんね…
秀祝ごめんね…
秀祝ごめんね…
よしえは、ものすごくつらそうな声でつぶやいた。
部屋の入り口でことの次第を聞いた温夫も、ものすごくつらそうな表情を浮かべた。
温夫とよしえは、家を守るために宗助を家の戸籍から外すことを訣めた(きめた)。
このままでは、宗助に殺されてしまう…
手遅れになる前に、宗助を家の戸籍から外さないと…
家庭(いえ)が壊れてしまう…
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