第2話
時は夕方5時半頃であった。
ところ変わって、宝来通りのバス停にて…
宗助は、ベンチに座ってバスを待っていた。
宗助がいるバス停は、JAおちいまばりの本所付近にある。
この時、玉川方面から来たバスが到着した。
バスの中から、30代前半の女性が降りた。
宗助はうれしい表情で女性を迎えたが、女性はものすごくつらそうな表情を浮かべた。
「お待たせ、行こうか。」
「ちょっと、なんでバス停で待ち伏せするのよぉ~」
「ぼくは、君が心配だから家まで送ってあげるのだよぉ…」
「イヤ!!」
女性は、宗助を突き飛ばしたあとその場から立ち去った。
しかし、宗助は女性のあとを追いかけて行った。
場所は、幼稚園の前の通りにて…
宗助は、女性に対して『一緒にお話しがしたい…』と言うて、家に送ると言うた。
「アタシがイヤといよんのに、なんでついてくるのよ!?」
「ぼくは、君の婚約者がいる会社の同僚なんだよ…同僚の婚約者を危険な目にあわせたくないんだよ…」
この時であった。
(カシャ、カシャ、カシャ、カシャ、カシャ、カシャ、カシャ…)
現場の近辺で暮らしているチクリオバハンがラクラクスマホのカメラで現場を撮影した。
チクリオバハンは、宗助のせいで会社をやめた息子さんの母親である。
チクリオバハンは、宗助が女性にストーカーをしている現場を撮影したあと、窓をピシャッと閉めた。
その後、チクリオバハンは宗助が女性にストーカーしていた現場をメールに添付して、短いメッセージを打って、送信した。
送信先は、はーばりー(今治桟橋)内にあるコミュニティFM局である。
この時間、生放送番組をしていた。
夕方6時頃、チクリオバハンが送った例のメールが男性パーソナリティさんに読まれた。
それが原因で、騒ぎが広まった。
宗助は、1ヶ月前にケーサツからケーコクを受けた…
それにもかかわらず、女性に対してストーカーしていた…
それがラジオで放送されたと言うことは、宗助の家族にきついしわ寄せが来ると言うことだ。
宗助は、そのことが全く分かっていない…
ところ変わって、石井町にある大きめの家にて…
家は、県立今治病院から歩いて50歩のところにある。
家の広間に、宗助の兄・祝彦(のりひこ・50歳・銀行員)と兄嫁・みわこ(48歳・パート)夫婦と祝彦夫婦の娘・弓華(ゆみか・小学校3年生)と両親・温夫(はるお)よしえ夫婦(ともに70代)と妹・静江(しずえ・38歳・家事手伝い)の6人がいた。
祝彦夫婦には高校生の息子・秀祝(ひでのり・高1)がいるが、家にはいない…
宗助の部屋をリフォームするために秀祝が使っていた勉強部屋に宗助が移った。
秀祝は、宗助の部屋がきれいになるまでの間、私立高校の寮で暮らしている。
そのために、家の広間に秀祝がいない…
広間のテーブルの上には、静江が作った晩ごはんが並んでいる。
静江は、みんなが食べるごはんを注ぎおえたあとみそ汁をつごうとしていた。
その時であった。
(ジリリリリリン、ジリリリリリン…)
となりの部屋にある黒のダイヤル式の電話機のベルがけたたましく鳴り響いた。
「あら、電話だわ。」
みわこは、心配げな声で言うた。
よしえは『そうみたいねぇ~』と言うた。
「アタシ、出ます。」
みそ汁をつぐのをやめた静江は、立ち上がって電話へ向かおうとした。
その時、弓華がつらそうな声で言うた。
「え~、また電話ぁ~」
静江は、やさしい声で言うた。
「ごめんね…ごめんね…」
弓華は、つらそうな声で言うた。
「ごはん食べたい…ごはん食べたい…」
静江は、やさしい声で弓華に言うた。
「ごめんね…すぐに終わるから待っていてね…」
静江は、受話器を上げてお話しをした。
「はい、築山でございます…ああ、ご近所の奥さまでございますね…えっ?ラジオ…ラジオがどうかしたのですか?」
この時、静江の顔が真っ青になった。
「もしもし…なんで…なんでうちの次兄(あに)が(ラヂオ)バリバリ(コミュニティFM)で放送されたのですか!?…うちの次兄(あに)が(機械工の主任)の婚約者さんにストーカーしていた…次兄(あに)は1ヶ月前にケーサツからケーコクを受けたばかりなのよ…次兄(あに)はケーサツに『もうしません。』と言うたのよ!!…アタシたちは次兄(あに)を信じているのよ!!…それなのに、あることないことをベラベラしゃべるなんてサイテーだわ!!」
(ガチャーン!!)
電話をガチャーンと切った静江は、両手で頭をグシャグシャにかきむしった。
この時、広間にいる家族たちはひどく動揺していた。
ところ変わって、別宮町の国道317号線沿いにあるはま寿司(回転寿司)にて…
みわこと祝彦の息子・秀祝は、私立高校の寮を抜け出したあと、ここで晩ごはんを食べていた。
今の時間、寮は晩ごはん時であった。
夜7時からはお勉強の時間である。
しかし、秀祝は勝手に寮を抜け出して勝手し放題していた。
寮のメシは、クソまずい…
毎晩7時のお勉強の時間はイヤじゃ…
みたいテレビがみられん…
プレステができん…
つまらんつまらんつまらんつまらん…
イヤじゃイヤじゃイヤじゃイヤじゃ…
ヨフカシ・ネボウ・チコク・ハヤベン…
学校が終わったあと、寮に断りもなく勝手に外出する…
担任の先生が『晩ごはんまでに帰ってこい』といよんのに、言うこと聞かない…
通いの男子生徒の家でプレステをする…
晩ごはん・勉強の時間になっても、寮に帰らずによその家に居すわる…
その上に、むしゃくしゃしていたらよその高校の男子生徒(つっぱり)に暴力をふるってケガを負わせるなど、暴力事件をくり返す…
それなのに、寮長先生は秀祝を過度に甘やかす…
秀祝は、どうしようもないドアホになった。
この日、秀祝は他校の男子生徒とトラブルを起こした。
秀祝が金皿(150円くらい)の寿司を取ろうとしたが、この時にとなりに座っていた男子生徒に言いがかりをつけられた。
「コラ!!それはオレが取ろうとした金皿だ!!」
「ふざけんなよ!!オドレはどこの与太校(コーコー)のつっぱりだ!?」
「なんだとこのやろう!!」
(ドカッ!!)
秀祝は、与太校(よそのガッコー)のつっぱりを右足でけとばして倒したあと、店から逃げ出した。
「コラ!!逃げるな!!」
秀祝にけとばされたつっぱりは、秀祝を追いかけて外へ出た。
ところ変わって、高地町にあるゆきたか公園にて…
よそのガッコーのつっぱりをけとばして逃げた秀祝は、公園内に追い詰められた。
あとから追いかけてきたつっぱりが、秀祝の背中をグーで殴った。
「テメー!!このやろう!!」
(ドカッ…)
「なんやオドレ!!やるんか!!」
「オドレが先に殴ったから仕返しだ!!」
秀祝を殴ったつっぱりは、さけび声をあげながら秀祝に向かって行った。
(ガーン!!)
「ああああああああああああ!!」
秀祝は、つっぱりの顔を鉄パイプで思い切り殴り付けた。
「おかーさーん!!おとーさーん!!目がみえん…助けてくれ…ああああああああ!!」
秀祝は、鋭い刃渡りのサバイバルナイフでつっぱりをズタズタに切り裂いた。
深夜11時過ぎのことであった。
返り血を浴びた秀祝は、フラついた足取りで現場から立ち去った。
暗やみの道をフラフラと歩いている秀祝は、うつろな表情でつぶやいた。
また、よそのガッコーの生徒とトラブった…
これで何度目か分からない…
せっかく入ることができた高校なのに…
サイアクだ…
これで、なにもかも終わりだ…
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます