花束

アキサクラ

プロローグ〜始まり〜

私の朝は、ご飯を作ることから始まる。

心地よい野菜を刻む音に、自然と鼻歌を歌う。

窓から、そよそよと流れ込む朝の空気に誘われるように、『兄』が起床。

お味噌汁の匂いが鼻をくすぐり、空腹とともに『弟』が起床。

まだ起きてこない『母』を準備の終わった『兄』が叩き起こす。

寝坊気味の『姉』と『妹』は、私たち四人が食べ始めた頃にあわてて起床。

これが私たち『家族』の日常。



私たちは、本当の家族ではない、寄せ集めの家族なのだ。



私こと絵堂えどうふみ、高校一年生。

『兄』ことひがし鈴太郎りんたろう、二十五歳、社会人三年目。

『弟』こと間宮まみやなつ、小学二年生。

『母』こと西広にしひろ千草ちくさ、三十七歳。

『姉』こと小田おだ花乃かの、二十二歳、大学二回生(留年二回)。

『妹』ことフローレス陽華里ひかり、高校一年生。



違う親から、違う場所で生まれ、やがて、いろいろな事情で一緒にここで暮らすようになった。



私たちにとっての日常は、人生の宝物であり、最大の幸せなのだ――。

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