ゆっくり歩く
@masakana
第1話
高額でもゲーム機に障害者割引があることは、ゲーマーの弟も知らなかった。
リアルで第2の人生を歩く私、いまさら現実逃避もナイナイ。ただ普通に歩いたり走りたいだけ。
VRMMOのヘッドセットを被り本体の椅子に愛用のクッションを置く。ペットボトルの飲み物もOK、トイレもよし。
new lifeスタート!
「ようこそnew lifeへ! キャラメイク担当の……」
「メルメルちゃん、挨拶は省略で。キャラメイク始めましょ」
弟から彼女の自慢話を延々と聞かされたと、私は知っていた。
ちっと舌打ちの妖精メルメル、ライトグリーンで統一されたNPC。可愛いのにプレイヤーを襲撃する。殺されはしないがアイテムをごっそり盗まれるとか。セクハラした隆司が悪い。
「セミオート設定なので色位しか変えられませんよ、意地悪なお姉さん? 購入時のキャラ名はダブったので使えません」
先に言えよと、どっちが意地悪だと言いたいがグッと我慢する。相手は妖精、可愛い外見とほど遠い性格、フィールドで妖精集団に襲われるのは初日の1回だけにしたい。弟の隆司は1週間も襲われたらしい。
名前はマイル=キーン、姓は勝手に付けられた。髪の色と瞳はメルメルと同じで。
「良いの、私と同じで?」
「うん、とってもキレイだから」
事実だし、素直な感想だよ。ニッコリ笑って飛び回り、スキルはサービスするって。
「キャラメイクは以上で終了、始まりの町へ転移します。またね~」
「セミオートだからって省略しすぎよ!」
スキルとステータスを勝手に決めるなっ!
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