　世界人口約78億人のうち、23億人超がキリスト教徒。キリスト教は一般にカトリックとプロテスタントが大きな分類として知られているが、他に正教（オーソドックス）が存在している。

　カトリック（西方教会）と正教（東方教会）はローマ帝国が東西に分かれたのと連関して次第に交流が薄くなり、差異が拡大。1054年に相互破門しているが、近年和解の道が模索されていた。

　そして、カトリックに抵抗する運動から派生したのがもう一極プロテスタントだ。カトリックとプロテスタントの大きな違いは階級制であり、教会において前者には司祭や司教などの位階があるのに対し、後者は等しく牧師（もちろん例外あり）。

　ちなみに、英国は分類的にはプロテスタントに数えられることもあるが、階級は存在しており教義的にはまんまカトリックである。ただ、ヴァチカンと距離をおいた原因である離婚を認めている。

　なお、西欧で事実婚が多いのは、カトリックが離婚を認めていないことが一因とされる。

　あと、『聖書』を、『旧約聖書』や『新約聖書』と呼ぶのはキリスト教徒。キリスト教の母胎となったユダヤ教にとっては後者は聖典として認められておらず、アメリカ大統領の宣誓などにおいては、その点に配慮がなされている。なおなお、サンタクロースやバレンタインはキリスト教の行事とされているが、『聖書』には記されていない。

　キリスト教に対するこれらの知見は日本人の大多数が有していると私は考えている。が、本当の意味でキリスト教を理解することはできないということは知っておくべきだと私は思料している。

　しかし、理解しようという行為には確かに意味がある。知った気にならずに、相手との認識のズレをすり合わせることが重要だろう。