明治・大正・昭和の男色~雑談~

井上みなと

第1話 一定したわけではない男女役

 フィクションの世界だと、男性同士の体の関係は、割とどちらかが男性役・女性役と決まっている感じがあるかと思います。


 しかし、戦前の男色の話を見ていると、どうもそうでもなかったようです。


 陸軍幼年学校や中学校では、年下が女性役・年上が男性役、それが年月と共に移り変わり、女性役をしていた男子生徒が、今度は高学年になって男性役をするといううのが一般的だったようです。


 それは行為の慣れであったり、体の柔らかさであったり、事情はいろいろかと思いますが、陸軍の学校の話でも、誰かの稚児だった少年が、学年が上がって新入生を稚児にするという話をよく見ました。

 

 時には大杉栄のように最初から高学年と手を結び、自分が初めから男性役側に回って、学校イベントの際には毎晩のように他の生徒を襲いに行くような人もいれば、入学当初からずっと女性役をさせられ、括約筋がダメになっているのではと心配して相談の投書をする生徒もいました。


 ただ、だいたいは学年が上の方が男性役、下の方が女性役だったようです。

 そのため、どちらも経験している場合が多かったのかと思います。

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