第133話 同盟?! 忌まわしきものと古のもの
「意地悪って……。何か起きているというの?」
「ユゴスからミ=ゴが大量にこの惑星に飛来しているみたい。なんか南極大陸に集まっているのよ。南極大陸には古のものたちがいるから、ふたつの種族で手を組むみたい」
「それって、ミ=ゴと古のもので戦いが起きてるわけじゃないの?」
「ううん、そうじゃないみたい」
ハスターの疑問に対し、いろはは背中の段平の光を感じながら否定する。ツルギから受け取ったダンビラが光るたびに、この世界のことが、未来に起きる出来事が、手に取るようにわかるようだった。ツルギの持っていた未来を予知する能力が段平を媒介にして受け継がれているのだろうか。
そういえば、ウォルフは周囲の人々に勇気を奮わせる能力を使い、光の軍勢に勝利をもたらしていた。アンは理性を操る能力で荒くれの空賊どもを統制し、空賊同盟という大集団を率いている。それらの能力も指輪とネックレスによって受け継いでいる。
「それは当たり前でしょ。というか、それは逆よ。
クトゥルー、あなたの力を案内役が借り受けていたの。案内役たちがそれを最期に託したのはあくまで能力を返しただけなのよ」
いろはが口にした疑問にハスターが答えていた。それはいろはにとって驚くべきことである。にわかには信じることができない。
「だったら、ハスターちゃんも私に借りた力があるってこと?」
「それは、もちろんそうよ」
「その力って何?」
「それは言わないけど」
ハスターにも女神の力の片鱗があるようだが、それが何かはわからなかった。もっとも、彼女の言うことが真実であれば、だが。
それよりも問題は南極に集合しつつある、二種連合の存在である。
いろはたちはテトリスを進めつつも、南極に向けて移動し始めた。
いろはは順調にブロックを消していっていた。
ほとんどのブロックが消えた中で、バランスよくテトラミノを置いていく。Oテトラミノをブロックの隙間に配置することもあったが、JテトラミノとTテトラミノを的確に配置して、瞬く間にそのマイナスファクターを消してしまった。もはや、いろはにはどうテトラミノを配置すればいいかが把握できているのだ。
加速するテトラミノなどものともしない。瞬く間に敵を倒し、力も上げていく。
いつしか残りの敵は2人になっていた。
○○〇:これ、めっちゃやべーじゃん
◆◆◆:ろはたん、最強!
□□□:これはいくぞ
●●●:そうは言っても残りも強い奴らだからなあ
◇◇◇:いけるぞ!
やがて、いろはとハスターは南極大陸に近づいていく。
そんな中、海底の地面が揺れ、神々が出現した。
ツァトゥグアと彼の従える神々、ナグ、イェブ、ニョグタ、ハン、ガタノトーアを始めとする無数の眷属たちであった。
「あの糞どもをぶちのめすんだろ。俺たちにも噛ませろや」
ツァトゥグアは血気盛んにそう言った。いろはにも、ハスターにも、それを拒む理由はない。
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