第65話 オロチさんVS銀の飛空艇デュナミスとなりました
ハイレディンたちは機関部に辿り着いた。見慣れない地下へ続く階段への道が開いている。機関士に確認すると、オロチたちはこの先へ進んだという。
ハイレディン、ウルグ、アイディン、ロバーツの4人は。急いで地下へと降りていった。
「妙だな」
ハイレディンが違和感を口にする。
地下道では罠が張り巡らされているが、そのことごとくが起動されていた。そのため、ハイレディンたちはすんなり通れるほどだ。
「オロチやバスコがいて、罠を回避できないとは思えない」
ウルグが違和感の中身を言い当てる。
4人は嫌な予感を具体的に想像しつつ先へ進んでいった。
そして、彼らが見たのは銀色の飛空艇の放った電撃により貫かれるハウエルの姿だった。
怒りに打ち震えたオロチは剣を抜いて銀の飛空艇デュナミスに向かって走りだす。オロチはデュナミスの甲板に駆けあがると、滅多やたらにデュナミスを斬りつける。目にも止まらぬほどの速度の斬撃であったが、金属の装甲を持つデュナミスには全てが弾かれてしまう。
「馬鹿かな。剣なんかでどうにかできるものに見えるのかねぇ」
オロチの猛攻を涼しい顔で受け流すが、バスコにとっても至近距離のオロチを仕留める手段はあまりない。噴射口にエネルギーをチャージし、轢き殺す準備を進めるしかなかった。
「兄貴、手を貸すぜ」
通路を抜けて銀の飛空艇のある空間までやって来たハイレディンが声をかけた。しかし、その声にオロチは初めて彼らがやって来たことに気づき、攻撃を続けながらも、慌てた声を出す。
「ハイレディン、ドラクートを連れて引っ込んでいろ」
バスコにとってもっとも得意な状況は一対多だ。トランペットの音色を聞かせて同士討ちを狙われてしまう。耳を塞ぐという対処法はわかっているが、その間に隙ができるのも事実だ。
「もう遅い」
バスコの笑みの含んだ声が聞こえてきた。それと同時に、デュナミスの噴出口が唸りを上げた。その瞬間、デュナミスの衝角がハイレディンに向けて突撃した。
ズゴゴゴゴゴ
轟音とともに剣のように鋭い衝角がハイレディンを突き刺す。かに思えたが、ハイレディンは何者かに突き飛ばされ、串刺しは免れた。
ハイレディンを突き飛ばしたのはオロチだった。デュナミスが突撃する瞬間に衝角に飛び移り、ハイレディンを突き刺すタイミングで突き飛ばしたのだ。
しかし、オロチは飛空艇に轢かれた状態になっており、下半身はデュナミスの下敷きになってズタボロに千切れてなくなっており、血が止まらない。鋭い剣先に抱きついていたため、腕も体もズタズタに切り裂かれていた。
もう助からないだろう。
だが、デュナミスも無傷ではなかった。突撃した衝撃によってハッチの一部が外れて落ちた。オロチの斬撃は無闇なものに見えたが、バスコが乗り込んだハッチを標的としており、集中的に撃ち込まれていたのだ。
「これは、これ以上戦えないか。まあ、いい。オロチさえ殺せれば、あとは坊ちゃんばかりだからな」
バスコはデュナミスを通して特殊な信号を送ると、地下道の天井が開いていく。デュナミスはその噴射口によって上昇していき、やがて浮遊大陸から脱出した。
それを合図にするように、ミルドランドの飛空艇の総攻撃が始まった。浮遊大陸は戦火に見舞われる。
○○〇:だいたい既定路線かな オロチが死んでバスコは逃げたか
◆◆◆:なんだかんだオロチは強かったんだな
□□□:前回の爆弾投げる判断も良かったしね
●●●:とはいえ、この劣勢をどう
◇◇◇:バスコがハイレディンたちを甘く見てるのが鍵かな
■■■:こんろは
「はぁーい、こんろは!
オロチさんがハイレディンさんかばって死んじゃったね。ハイレディンさん、気に病みそうで心配だなあ。
それに、ついに始まったミルドランドの総攻撃。浮遊大陸が首都まで単独で来たのが仇になっちゃったね。
これから、どう乗り切っていくんだろ」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます