第50話 今から億り人への道(2) 成長株を見つけるファンダメンタル分析
今から億り人への道(2) 成長株を見つけるファンダメンタル分析
ファンダメンタル分析はまだまだ研究中なので「これだけ知っていればだいじょうぶ」といえるほどの知識はまだありません。
ただ「大幅に上昇する銘柄を引き当てる確率は高められる」のです。
第一の条件は、以前お話した「EPS」です。「1株あたりの純利益」のことですね。
これは「その企業の四半期決算の純利益を発行済株式総数で割ったもの」です。
ここまで書くと「決算書が読めないとEPSはわからないのではないか」と思いますよね。
だいじょうぶです。
前四半期決算の「EPS」は証券会社が口座保有者に提供している情報のうち「市況」を見てちょっとした計算をするだけでわかります。
その手法です。
「現在の株価 ÷ PER」
これが「EPS」の値(単位:円)です。
現在の株価もPERも、証券会社のWebサイトで銘柄を調べればすぐにわかります。
ただし証券会社のWebサイトで銘柄をふるい落とす「スクリーニング」をするときに、EPSが使えないという事態も想定されます。
私は「楽天証券」を使っているのですが、「楽天証券」では前四半期決算のEPSと今四半期予想のEPSしか使えません。
まぁまったく使えないよりははるかにましです。
そこで「EPSの増加率」は発行済株式総数が変わっていなければ「純利益の増加率と同じ」ことに着目します。さらに離れてしまうのですが「経常利益の増加率」で代用して「スクリーニング」していきます。
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オニール成長株式のスクリーニング一例
前提
まず投資金額を「10万円以下」に設定します。中には10万円超でも純利益・営業利益・経常利益が続伸している銘柄もあるのです。しかし購入価格が10万円を超えるとそこから「テンバガー」を目指すような高い上昇をするのはかなり厳しいと見るべきです。
たとえば最低50万円で買える銘柄は株価が5,000円ですが、これが50,000円になるのが想像できますか?
ちょっとありえない数字ですよね。
あの天下の「任天堂」でも株価は6万円ほどです。
ですが最低5万円で買える銘柄は株価500円ですが、「テンバガー」になっても株価は5,000円で収まります。このくらいなら波に乗っていれば達成できそうですよね。
ただ「10万円以下」だとあまりにも銘柄が絞られすぎる可能性もあるので、その場合は「30万円以下」くらいに設定しましょう。1:2の株式分割さえ行なわれれば株価は半額になりますからね。
スクリーニング条件1
「PERの今四半期の予想倍率」を用いて、一般的とされる「PER15倍」に設定します。
以前お話し致しましたが、PERは割安・割高を調べるのではなく、人気を測るバロメータです。
よく用いられるPER15倍が標準で、それ以下なら割安、以上なら割高とは見ません。
とりあえず今四半期の予想PERが15倍以上で、ある程度人気がある銘柄に絞ります。
この倍率を下げると人気の薄い銘柄がわかるのですが、あまりに人気がないと見向きもされておらず、売りたくなっても誰にも売れない状況になりかねません。
また予想PERが正数であれば今四半期が黒字と予想されていることも表しています。
赤字が想定される企業の株式を安心して買えますか?
私は怖くて買えません。だから黒字予想になっている銘柄に絞ります。
スクリーニング条件2
次は「経常利益変化率が3ヶ月前と予想で+40%以上」です。
これは株式分割や増資をしていない前提なのですが、EPSの変化率を条件に設定できないので、純利益に近い経常利益の変化率で「EPS増加率の概算」を捕まえようというものです。
前四半期から40%以上EPSが増加している銘柄は運営がうまくいっている証です。
スクリーニング条件3
その次は「経常利益変化率が前年同四半期比で+100%以上」です。
これは1年前からその企業が事業で得た収益を大きく伸ばしている銘柄を見つけます。
こちらもEPSの変化率が設定できないのでその代わりです。
ここが大きいほど経常利益が爆発的に増加したことを示しています。
スクリーニング条件4
さらに次は「経常利益変化率が前年度比で+50%以上」です。
これは年間の経常利益が前年度よりも+50%つまり1.5倍以上になったものを抽出します。
スクリーニング条件5
最後に「ROEが17%以上」です。
純利益を得るために株主資本をどれだけ効率よく使ったのか示すため、経営状態のよい企業を見極められます。
「楽天証券」だとここまでスクリーニングすると、2021年9月15日大引け後に調べると前提の「投資金額」を「制限なし」にしてようやく6件ヒットします。
この中から、経常利益の進捗率を見ます。
「楽天証券」ならスクリーニングされた銘柄をひとつずつチェックしていきます。
たとえば「コーエーテクモHLDG」を選び、「業績」を確認すると、経常利益の進捗率が表示されます。
第1四半期(1Q)だけで今年度の目標経常利益の50.4%を達成しています。このまま推移すれば通年で200%を超えてくると予想できますよね。
少し下にある「決算の会社実績」で「202003(連)会社実績」「202103(連)会社実績」「202203(連)会社予想」を見ると「202203(連)会社予想」の経常利益と当期純利益が前年からマイナスです。もちろんあくまでも「会社予想」なので上振れも当然起こりえます。事実「202203(連)コンセンサス」では前年からプラス予想です。しかも今年度の1Qだけで企業が見込んだ目標経常利益の50.4%を達成しているので、普通に考えれば会社予想よりも高い経常利益で着地するだろうと予想できますよね。
ここから営業外収益を外す必要があります。
もし公的支援や赤字子会社精算など通常営業以外で収益が増加していたら、そのぶんは外して考える必要があります。
幸い「コーエーテクモHLDG」にはそのようなものはありませんので、このチェックも通過です。
また会長や社長が大株主であると、自らの利益のためにも会社を大きくしようと積極的に動いてくれます。
「コーエーテクモHLDG」では会長の襟川恵子氏、社長の襟川陽一氏がともに大株主のため、この条件もクリアしています。
「コーエーテクモHLDG」の弱点があるとすれば「すでに株価が高い」点にあります。
今ですら株価が5,890円であるため、ここからさらに数年で「テンバガー」になるのはまず不可能です。
ただ毎年2倍くらいは目指せるかもしれません。その途中で適宜株式分割を行なうでしょうから、長年持ち続ければ「テンバガー」も夢ではないでしょう。
ここまで見てきましたが、あくまでも「投資は自己責任」です。
「コーエーテクモHLDG」を推奨しているわけではありません。
欠点もいくつかありますからね。
またスクリーニングの条件は各証券会社でも異なりますし、どのような要素でふるいにかけるかもあなた自身が決めてください。
そしておそらく「コーエーテクモHLDG」は9月いっぱい弱い値動きになる可能性もありますので、間違っても参考になさいませんよう。
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