第25話 100万円から始める株式取引

100万円から始める株式取引


 株式取引を始めるには、証券口座を開設しなければなりません。

 基本的にはいくらの資金であっても口座は開けます。

 しかしこれから株式取引を始めたいなら、できれば最低でも100万円は用意してください。


 なぜ100万円なのかですが、株価1,000円の株式の最低取引株数100株ぶん買うのには、10万円が必要だからです。

 それなら10万円あればよいのではないか。そう思いますよね。

 ですが、10万円をフルに使ってしまうと、取引はバクチになってしまいます。

 たとえば10万円で買った株式が+10%上昇した。これで評価額は11万円になります。

 逆に△10%と下落したら、評価額は9万円になります。

 では一度9万円になった資金を10万円に戻すには、何%の上昇が必要でしょうか。


 +10%と回答された方はもう少し数字に強くなりましょう。

 実際には「100,000円÷90,000円=+11.1%強」です。

 つまりいったん資金が減少すると、回復するのに苦労します。

 仮に30万円を持っていれば、10万円ぶんの株式を買って△10%となってしまっても、全体の30万円から見れば△3.33%の損失でしかありません。

 ですので100万円ぶんの資金があれば、10万円ぶんの株式が△10%になろうとも、損した金額は100万円の△1%にすぎないのです。

 そして1万円の損を回復するには、再度10万円ぶん買って+10%を達成すればよいのです。


 そもそも株式相場は、極端な話、上がるか下がるかの二択です。トレンドを考えなければ、上がるも50%、下がる50%になります。つまり最初の取引で上がると思って下がっていくとしたら、二連続で下がる確率は25%、三連続で下がる確率は12.5%、四連続で下がる確率は6.25%です。よほど運が悪くないかぎり、ハズレを引き続けるほうが難しい。


 株式取引は確率が大きく関係してきます。

 実はある有名な実験があります。サイコロを振って奇数なら買う。どのような局面でも買う確率50%ですよね。しかしその後株価が上昇した確率は60%ほどだとされています。

 これが意味するのは、あれこれ考えても50%しか上昇をつかめないのなら、ランダムで買ったほうが成績がよいということです。

 もちろんこの前提は株価が上昇し続けられるアベノミクス相場ですので、コロナショックに見舞われた現在の相場ではあまり当てはまりません。それでも上昇する確率は50%あるはずです。なにせ確率なのですから。

 ということは、10万円ぶんの株式を購入して、△10%を何度食らってもやり直せるだけの資金を用意しておくべきなのです。


 今回は割合をわかりやすくするために、+10%や△10%を例にしました。

 もちろん実際に株価が+10%したり△10%になったりするのはよほどの材料がなければ達成できません。

 だから損失が拡大する前に「損切り」さえできれば、少ない資金でも再戦の余地が残ります。



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