友達(仮)

第1話でおわりです。

「ずっと友達でいてね！」

終電3つ前くらいの電車に揺られて

ほろ酔いの私が帰り際に言った。

相手は5つ上の彼女持ち、

くだらない下ネタと身の上話をするのが

楽しくてしょうがなかった。

“友達”

なんて都合が良い言葉なんだ。

これさえ言い聞かせれば

罪悪感なく二人で遊べる。

でもそれはいつだって長くは続かない。

「好き」の一言がちゃんと言える人には

勝てない。フェードアウト、さよなら。

学生の頃、一度も両思いにならず、

恋愛を避けて避けて避けまくった私が、

社会人になって男の人と

仲良くなるのはいつも“友達”のスタンス。

これをずっと守ってやってきた。

変なモーションはかけない。

泊まりもしない。

女として見させない。

したらどうさ。

結果はご覧の通り。

歴代の男友達からこう言われる。

「お前にならなんでも話せるわ～。」

これが最強の褒め言葉だと思ってた。

(やったぜ、最高得点頂きました！)

・・・・けどちがう。

そんなわけない。

「お前とずっと一緒にいたい！」

こう言われないといけなかった。

これが、総合優勝なんだわ。

30代を目前にやっと気づいた。

遅すぎ、バカ。

だから、こんな私だから

いま好きな人がいる学生さんには

「好き、は隠すな。」

と伝えたい。

わかるよ、気持ちはわかる。

でもね、よく“後悔するよ！”

とか言うやん。

そんなレベルじゃないから。

後悔もあるけど、伝えないと

ステップアップできないから、

恋愛偏差値。

いい？わかった？・・・・私。