魔王から転生した最弱装備のサキュバスが世界の生き方を学ぶ

@hityan777

~第一章・幕開け~

人の子として望まれた「誕生の瞬間」。


だが彼女の「誕生」はただならぬものではなかった。

産声と共に意識を書き換え切れていなかった為、両親に「魔王」の力を示

しかけてしまった。

お陰で本来の両親は「魔王の親=魔族」と誤解されて人の子に斬首刑で処

刑されてしまった。

彼女は両親の処刑前の最後の祈り「人の子として一生を終えてほしい」を

基に、里親に預けられ「人の子としての一生」が始まることになった。


だが、人間も早々に彼女を生かしておこうとするわけもなく。

王家より命を下された里親にネグレクト(育児放棄)され、人様に預けな

がら人様も遊具のボールの上で彼女をわざと乗せたまま、親たちの集合号

令に集まり、彼女を殺そうとしたりした。

わざわざ古いエルフの木造集合住宅に住まわせ、虫を食べさせたりもした。

「教育」という名目で度々彼女を殺そうと風呂に頭から押さえつけて浸し、

溺死させようとしたりもした。

首を絞めて絞め殺そうとしたりもした。

全て、「魔王の力」を発現させないための人としての渾身の殺害方法だっ

た。


—――なんとしても魔王復活を阻止するため。


ただそれだけの為に人類はいかに彼女を殺すかを毎日考え続けていた。


そんなある日のこと。

3歳になった彼女は母親に本屋に連れていかれた際、ふと興味がてら制限さ

れていなかった成人指定の本を読むことになってしまう。


実は彼女は前世で戦闘していた際、「幸運の女神:??????(現時点不

明)」と手を組んで戦っていた為、「すべての死を回避する五感と第六感」を

護符として転生する際に授かっていた。


お陰でどうしても殺害できない人類が思いついた最後の手段が、属性判断値

の中で出ていた「サキュバス(淫魔)」を悪用し、何としても殺害する、と

いう手段だった。

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