第47話 野球小僧-47
最終回、野球部の攻撃は、小林が調子を取り戻して789番の3人で終わった。そして、最後の愛球会の攻撃に移った。
「さぁ、最後だ。思い切って行こうぜ!」高松
「まぁ、頑張ってくれよ」山本
「なんだ、山本、急にやる気のないこと言いやがって」池田
「だって、俺まで回んねえだろ」山本
「そんなことはないぞ。とにかくつないで、逆転するんだ」高松
「へえへえ、頑張ってね。まぁ、ここまで善戦すりゃ、監督も認めてくれるだろ」山本
「まだ負けたわけじゃないって」高松
『さて、最終回、今日は練習試合ですから延長戦はありません。最終回、愛球会の最後の攻撃は、5番の池田君からです。ちょっと、不利ですね』
『そうですね、打線が下位になりますから、なかなか得点は期待できません』
『イチロー君の攻略法は、ないですか?』
『ウェイティングですね。ボールを選べば自滅します』
『なるほど。それを警戒しているのでしょうか、野球部のベンチ横では、えぇっと、三沢君ですね、三沢君がピッチング練習を行っています』
『イチロー君も、あんまり監督に信頼がないようですね』
『わかる気はしますが。さぁ、池田君、気合を入れてイチロー君を睨む。対するイチロー君の眼光も鋭い』
『見えるの?』
『いいとこなんだから、黙っててください。
さぁ、第1球投げた!ストライク!ズバッと決まりました、ストライク!』
『低めにうまくコントロールされましたね。まぐれかもしれませんが』
『第2球目、投げた!ストライク!ビシッとストレート!グイグイ押してきます。池田君、手が出ません。ウェイティングは失敗のようです』
『えぇ、ほんとにわからない子だわ』
『イチロー君大きくふりかぶって、投げた、ストライク!空振りです。空振りの三振!3球勝負でした。今日のイチロー君はかっこよく見えます。あやちゃんの声援が効いているのでしょう』
『よけいなことは言わなくていいの!』
『続くバッターは、キャプテン高松君。ここはキャプテンの面子を保つためにも、塁に出たいところです。やっぱり、ウェイティングですか?』
『えぇ。高松君は左バッターですから、イチロー君の投球が変わるかもしれません。少し様子を見てもいいと思います』
『でも、追い込まれると、かえって焦りませんか?』
『1球目は待ったほうがいいでしょう。2球目は、1球目の様子を見てからということになります』
『マウンドのイチロー君、どう攻めるか!第1球投げた!ボール!高めへボール!東君、立ち上がってやっと取りました。なるほど、さっきはまぐれだったかもしれませんね』
『イチロー君の性格だと、連続三振を捕るつもりだったでしょうけど、無駄な力が入りましたね』
『さぁ、今度は慎重にバッターに対して、第2球目を投げた、ストライク!アウトコース。高松君、ちょっと不満そう』
『低いと判断したのかもしれませんが、こういう判定はよくあります。あまり気にせず次のボールに向かってほしいですね』
『さぁ、3球目、ふりかぶって、投げた。ストライク!空振りのストライク!やや、高いですが、入ってますね』
『入ってます。さっきの低めで、少し姿勢が前かがみになっている分、ボールを叩けませんでしたね』
『うまくボールが散っています、今日のイチロー君。普段のお調子者とはずいぶん違います。さぁ、勝負に来るか、4球目、投げた!空振りだぁ!三振!三振!愛球会、高松、フルスイングも空を切りました!三振!万事休すか』
『お上手ね』
『そんなことどうでもいいの。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます