第54話 逃亡者、ダンジョンを攻略する
僕は我に返ってダンジョン攻略に戻る
また今度遊ぶことにしよう
200階層でまた豪華な扉を発見する。
「今度こそラスボスかな…」
扉を開けるとまたスライムがいた
「……またか」
スライムが急に結構な速さで突撃してきた
僕は避ける
前のこと気にして今度は積極的に攻撃してくる気かな?
それにしては遅かったけど……
「スライムさん、また戦うんですか?僕の負けでいいので通してくれませんか?」
「………………」
返事はない。代わりに体を触手のように伸ばして攻撃してくる
うーん、なんかおかしいな。
僕は鑑定でみる
スライム(幹部)
悪のスライムをまとめる四天王の2体目
さっき倒したのは四天王最弱だ
「……は?」
僕は勘違いしていたようだ
鑑定結果によると四天王らしい。多分100階層で本当は四天王最弱と戦っているはずなのだろう
僕は無言で幹部スライムを斬り捨てる
「さて、次に行くか」
僕は何もなかったかのように次に進む
でもこれでわかったな。最下層は少なくても500層だな。
300と400階層で残りの四天王を倒して500層でラスボスかな
僕の予想は300階層で裏切られることになる
300階層のボス部屋に入ると予想通りスライムがいた
スライム(幹部)
悪のスライムをまとめる四天王最後の1体
人員不足により3体目も兼ねている苦労人
なんだか倒すのが申し訳なくなるな
僕は一思いに斬り捨てる
400階層にもう一度出てくるのか、それとも最下層か
400階層のボス部屋に入ると中には誰もいなかった。
階段がすでに現れている
僕は無言で次の階に進む
これ鑑定が無かったら意味不明すぎるだろ
そしてついに500階層にたどり着く
扉は同じ豪華なやつだった
「王都のダンジョンが50階なのにもう500階層だよ。そろそろ終わりにしてよ」
僕は扉を開ける
中には真っ黒なスライムがいた
スライム(黒幕)
悪の組織を裏から操る極悪非道のスライム
スライムの域を超越した力を持つ
多分これが最後だな。
明らかに今までのボスとは強さが一線を期しているがここまでくるのにかなりレベルも上がったし負ける要素はない
ていうか、100階層にいたラジコンスライムの方が何倍も強いんだが……どうなってんだよ
僕は黒幕も一撃で斬り捨てた
するとこれまでは階段が現れていたが、代わりに奥の部屋に行けるようになる
奥に進むと大きな魔石みたいなのがあった
ダンジョン石
ダンジョンを管理する為の核
石を握るとなぜだか使い方がわかった
聞いていた通りダンジョンを好きなようにカスタマイズ出来るようだ
僕は石の力で地上に戻ろうとしたがこの石はここから動かせないらしい。
諦めて50階層ごとに地上と繋ぐ転移陣を配置する
地上からは行ったことがある場所に限り使えるように設定した
ボスの設定もここで出来たので500層のボスをさらに強化しておいた。魔物の強さの上限は僕のステータスと同じのようだ。同じにしてしまうと自分でも倒せなくなるので70%くらいにしておいた
あとは300階層のスライムを400階層に移動させて、300階層に新たにスライムを配置する。
これは僕の気まぐれだ
しかし、クルトの計画である、一部の人だけをダンジョンに入れないように制限をかけることは出来なかった
なのでダンジョンでドロップする素材や出現する魔物の階層を変化させた。
僕は転移陣で地上に帰る
ダンジョンの入り口側に転移しており、周りにはたくさんの人が集まっていた。
その中には冒険者のギルドマスターもいた
「やはりハイトだったか。事情を聞きたいんだがいいか?」
「もちろんです。ギルドへ行きましょうか…」
僕達は冒険者ギルドのマスター室へと向かう
部屋に入りマスターが話を急かせるが少し待つようにお願いする
しばらくするとミアとミハイル様が部屋にやってくる
念話で呼んだからである
「ミア、お待たせ。変わりはない?」
「特にはないよ」
「そっか」
何事もなかったようで良かった
「これで全員か?であれば、まずは説明してもらってもいいか?」
クルトも本当は呼んだ方がいいんだけど、クルトはミハイル様に計画言ってないみたいだし、そもそも念話のこととか話してないからね。また今度にしよう
「これで全員です。何をしたかですけど、さっきダンジョンを攻略しました。奥にダンジョンの核があってそれを使って転移陣を設置して帰って来たところです」
「散歩してきたみたいに言わないでくれ」
マスターに呆れられる
「本当に攻略したんだな」
ミハイル様は驚きながら呆れているようだ
ミアは出来て当然って顔してるな。特に驚いてない
まあ、ミアのスキルで僕のステータス値はバレてるだろうしね
「話を進めますね。マスターは知ってると思いますがダンジョンを攻略してやりたい計画がありましたよね?僕の計画ではありませんが……」
「ああ。クルトの奴が先導してるやつだな」
「その計画は出来ませんでした。一部の人だけを制限することは無理でした」
「そうか」
「私にもわかるように説明してくれるか?」
ミハイル様が聞いてくるので僕はザックリと説明する
「代わりに商業ギルドを潰せる仕掛けをしてきました。それに協力して欲しいです」
「とりあえず、聞こうか」
「地上の転移陣は50階層毎に配置してある転移陣と一瞬で移動が可能です。行ったことがある階層に限りますが……」
「それで、それをどうするつもりだ?」
「商業ギルドに出入りしているものは転移陣の使用にお金をとります。ぼったくり価格で。冒険者ギルドでは規約的に出来ないでしょうから僕が個人的にとります」
「なるほどな。いくつか気になることがあるが聞いていいか?」
マスターが質問する
「はい」
「どうやってお金を徴収するつもりだ?」
「転移陣を壁で囲ってしまおうと思ってます。領主様には許可証を発行してもらいたいです。許可証を持ってればタダで入れる。無いものは高額なお金を払ってしか入れない。領主様の判断で獣人に差別意識を持ってる者には発行しないで頂きたい」
「なるほどな。構わないぞ。手間分は発行料として税をいただけば問題なく回るだろう」
ミハイル様は答える
「あと一つ、そもそも50階層まで行ける冒険者はほとんどいないぞ。あまりメリットが無いようだが」
マスターがまた聞く
「それがさっき言った仕掛けです。ダンジョンの1〜50層までは何も出ません。魔物も宝箱も何もです。転移陣を使わない場合は時間を取られるだけです。50層分スライドしてある状態なので、51層からでも今まで同様の攻略が可能です」
実際は451〜500層に魔物が密集する影響が出たけど、それは気にしないことにしよう
「そんなことが出来るのか、ちなみにダンジョンは何階層まであったんだ?」
「500階層です」
「「は?」」
「え?」
3人共固まる
「500階層で終わりでしたよ」
「全然帰ってこないと思ってたら、そんなに潜ってたなんて」
「心配掛けてゴメンね」
「……ちょっと待て、なら君はこの短時間で500階層まで攻略してきたのか?」
ミハイル様が驚きながら聞いてくる
「ええ、そうですよ」
「……そうか、本当に人間かい?」
「人間ですよ!」
異世界の…がつくけどね
「まあ、君が人間でも化け物でもいいけど、それじゃあ今後の進み方はさっきの話でいいんだな?開始までには周知もいるし1ヶ月くらいはかかるからな」
マスターにも化け物呼ばわりされた
ひどい…
「…はい、それでお願いします。あと、クルトがいたらこのこと伝えといて下さい。それと、ダンジョンで倒した魔物の素材を倉庫に入れときますので買取お願いします」
「わかった」
僕とミアは屋敷に帰ることにする
……何か忘れている気がするけどいいか
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