4章 獣人編

第30話 逃亡者、テンプレにあう

ルカ・ルイと別れて進む事1日僕達は目的の街に到着する。


「ここまで乗せていただきありがとうございました」

僕は行商人の女性にお礼を言う


「構わないさ。私も楽しかったよ」


「私達はこれから冒険者ギルドに行くが一緒に行くか?冒険者になるんだろう」

アメリアさんに誘われる


「お願いします」


僕達はワルキューレの皆さんと冒険者ギルドへ向かう。


「ここが冒険者ギルドだ。私達は護衛依頼の報告に行ってくる。登録はあそこだ」

アメリアさんが奥にある受付を指差す


「わかりました。登録してきます」


僕は受付のお姉さんのところへ歩いていく


「お兄ちゃん、あっちの受付があいてるよ」

ミアが言う受付にはオッサンが座っている


「…ホントダネー」


「お兄ちゃん、目が泳いでるよ」


「こっちの人の方が親切に教えてくれそうに見えたから…」

オッサンだって良い人に見えるけどね…


「ホントかなー」

ミアの視線が痛い


だってむさ苦しいオッサンよりもキレイなお姉さんのほうがいいじゃん


そんなことを言いながら待ってると順番が回ってくる


「お待たせしました。冒険者ギルドへようこそ!本日はどういった要件でしょうか?」


「冒険者の登録に来ました」


「登録には試験があります。試験を受けるのに銀貨1枚、合格されましたら登録料としてもう銀貨1枚頂きます。受けられますか?」


「はい。お願いします」


「ではこちらに記入と銀貨1枚お願いします」

お姉さんから紙を1枚渡される


「2人共登録でお願いしたいんですけど…」

僕はミアも登録するつもりでいた。理由はいくつかある


「え…、そちらの女の子もですか?」


「はい、お願いします」


「…わかりました。では銀貨2枚になります。」

お姉さんは難しい顔をしながらも紙をもう1枚渡してくれる


僕は紙にどう書くか迷っていた。

職業が逃亡者と書くわけにはいかないし…


僕は迷った結果嘘を書くことにした。


名前 ハイト

Lv:12

職業 兄

スキル 生活魔法Lv4


名前 ミア

Lv:1

職業 妹

スキル 家事


僕は受付のお姉さんに紙と銀貨2枚を渡す。


「本気ですか?職業が兄とか妹って、まあ本当の職業を隠して登録している方も中にはいますが…」

お姉さんは呆れた顔をしている


「本気ですよ。試験をお願いします。」


「ならいいですが…ではこちらの依頼を達成してきて下さい。あなた達2人以外の協力は認めません。不正が発覚した場合は合格後でも取り消しの対象になります」


「わかりました。行ってきます」


試験の内容はワルキューレの方達から聞いていた内容と同じだった。

[魔物を10体以上、5時間以内に討伐してくること。ただしスライムは除く]


ちなみに魔物の数は一人あたり5体である


僕達は魔物を倒しに行こうとギルドから出ようとする。するとガラの悪いオッサン3人に道を塞がれる


これがテンプレか…弱い奴が冒険者になるなんてやめとくんだなってやつかな?

それとも生意気に受付のお姉さんの所に並んでるんじゃないって方かな。あのお姉さん美人で人気ありそうだし。


「なんでしょうか?」

僕はミアを後ろに庇いつつ声を掛ける


「お前たちワルキューレの人達と一緒に来たよな?」


え?そっち?…確かにそっちもあるか。お前らがワルキューレの方達に近づくなんて100年早いんだよとかかな


「ええ、それがどうしましたか?登録試験の最中なので早めにお願いします」


「これから登録試験か、それは悪かったな」


んんん?絡んできたんじゃないのか?


「俺達ワルキューレのファンなんだ。知り合いならサインをもらってきてくれないかと思って声をかけたんだけど、これから登録試験って知らなかったんだ。時間が今は惜しいからな。頑張れよ」


ただのワルキューレのファンの方達でした。しかもとてもいい人みたいだ。人は見た目で判断したらいけないな


「そうなんですね。また会う約束とかはしてませんが、会ったらサイン3枚もらえるか聞いてみますよ」


「本当か!ありがとう」


「でもそんなに欲しいなら直接聞いてみたらどうですか?ワルキューレの人達なら断らないと思いますけど…」

ルイスさんが人見知りするくらいで受けてくれそうだけどな


「俺たちみたいのが群がったら冒険の邪魔になるだろ。影ながら応援するのがファンクラブのルールなんだよ」


ファンクラブなんてあるのか……すごいな


「そうだったんですか、では僕達は試験があるので行きますね」


「ああ、頑張れよ」

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