第26話 逃亡者、一狩りいく②
頭痛がするけど今日も森へ向かう
二日酔いってこんなにキツイんだね。
「今日も猪をメインに食料を集めようか」
「なんか辛そうだけど大丈夫?」
「大丈夫だよ。ヤバそうなら休むことにするね。ミアは大丈夫なの?」
「私はあまり飲んでませんので大丈夫です」
「結構飲んでたように見えたけど…」
「あのくらいなら全然酔いませんよ」
ミアは酒に強いようだ。
今日も森の奥まで入っていく。
結構探して猪を1頭狩る。
「うーん、なんだか今日は見つからないね」
「近くにボアがいるのかも知れないです。気配を察して動物達は隠れてるのかも」
「元々はボアを探してたんだしボアを狩ろうか」
僕はミアに尋ねる
「お兄ちゃんなら大丈夫かもしれませんがボアは強いですよ。今日はもう帰りましょう」
「ミアがそういうなら帰ろうか」
僕達は切り上げて帰ろうとしたけど、判断するのが遅かったようだ。
遠くの方にヤバイのが見える
「ミア、あれなに?」
信じたくない僕はミアに聞く
「あれがボアですよ。隠れましょう」
…僕はあれを倒そうとしてたのか。…ミアにも倒させようとしてた。バカだな
「ボアってどのくらい強いの?」
「よくわかってなかったんですね。Cランクのパーティで倒すくらいです。」
「うん、軽く考えてたみたいだね。Cランクってどのくらいなの?」
前にナディアに教えてもらったけど、あまり覚えてない
「全体の真ん中くらいでしょうか?早い人なら3年くらいでなれるみたいです。」
「僕よりもステータスは高いの?」
「冒険者はステータスだけじゃなくて経験がモノを言う世界みたいなのでなんとも、多分お兄ちゃんの方がステータスは高いと思うけど、そもそも武器持ってないし…」
「そうだよね…」
僕は猪狩るにも石だもんね
気づかずにどこか行ってくれ…
だけどそんな願いは届かなかった
ドシン!ドシン!とこっちに向かってくるボア
「ミアはこのまま隠れてて!僕がなんとかしてみせるから」
ボアの体長は5mくらい、猪の4倍くらいかな。
近くで見ると余計にデカく感じる
戦ってみて無理そうならあれをしてみるか、やるなら先にミアをどうにかしないとだけど…。
「ほら、お前の相手は僕だ」
僕はボアの前に出て注意を引く。ミアを守りながら勝てる相手ではない。
僕はボアに向かって走っていき胴体を殴りつける。
ブヨン、とした感触。腹回りは脂肪みたいでダメージが通ってないようだ。
でもボアは僕に対して敵意を向ける
よし、まず気を引くことは成功だ
ボアは僕に突進してくるが僕はすんでのところで回避する。
ドシン!とボアがぶつかり木がへし折れる
あれをまともに食らったらひとたまりもないな…
頭も硬そうだ。馬とかの後ろに立つなって聞いたことあるし後ろから近づくのも危険かな。どこか弱点はないのかな?
やっぱり武器が無いのが痛いな。剣があれば胴体を切りつけれるけど、打撃だと効いてないっぽいんだよな。
……やってみるか
僕はボアの顔目掛けて石を投げつける。
ボアは突進してくる。
ん?僕はなにか引っかかったが考え事してる暇はないので回避に集中する。
そして避けたところで近くの木に登る。
また木にぶつかって止まったボアの隙をついて僕はボアの上に飛び乗る。
そして背中辺りを石で殴りつける。
…少し血が出てくるがほとんど効いてないな。硬い。
振り落とそうとするボアの上を移動して顔を殴る。
ボアは嫌がるように暴れ出す。
弱点は顔か。硬いのは額の部分だけっぽいな。
顔を殴り続ける僕をボアは転倒して僕を押し潰そうとする。僕は潰されないように離れるしかなかった。
ボアは乗られるのを警戒しているようで威嚇しつつも突進はしてこない。そのかわりに踏み潰そうとしてくる。
でも弱点さえわかればやりようがあるな。
僕はボアの顔に目掛けて石を思いっきり投げる。
顔に当たった石はボアにダメージを与えているように見える。
時間は掛かりそうだけどこれしか無いな。
僕はボアから距離を取りつつ近くの石を拾っては投げ、拾っては投げを繰り返す。
少しづつダメージが溜まっていったのか、当たりどころが良かったのかボアが転倒する。
僕はその隙を見逃さずにボアに詰め寄り、石で顔を殴り続ける。
ボアは起きあがろうとするが僕はその隙を与えない。
そして殴り続けているとボアが動かなくなる。
称号
ー 称号[ジャイアントキラー]を獲得しました ー
ふー、なんとか倒したな。
危なかった。
僕はボアを収納してミアの所に行く。
「ミア、なんとかなったよ」
「大丈夫?生きてて良かった」
「心配かけてごめんね。疲れたよ」
「ゆっくり休んで帰ろう」
僕は木にもたれかかり一息つくことにした。
「流石に村長にボアを倒したことは言えないよね?」
「そうだね。普通倒せるものじゃないから黙ってた方がいいと思う。」
「だよね、今日も猪を渡すか」
「それがいいと思います。猪でも普通は連続で狩れるわけではないので十分だと思います」
そうだ、レベル上がったかな?
「ステータスオープン」
影宮 灰人
Lv:11
職業
[逃亡者]
称号
[運命から逃げたもの 神]
[最高神の加護]
[女神アステリナの加護]
[妹属性]
[ジャイアントキラー]
スキル
[逃走][生活魔法Lv:4][偽装][鑑定][収納][改変]
HP:1300
MP:130
ATK:135
DEF:130
INT:130
RES:130
SPD:140
LUK:130
お、レベルが10も上がってる。やった。
あと称号が増えたのと生活魔法のレベルも上がってるな
称号[ジャイアントキラー]
自分より巨大な相手を倒したものに与えられる称号
ATKに +補正(微)
生活魔法は風魔法(微)が増えていた。
結構いい感じだ。
ステータスは1レベル毎に各値が2づつ上がる感じかな。
こっちの世界の人はステータスが値ごとに結構違いがあるからこれも僕特有だろう。多分クラスのみんなも同じかな。
「ミア、レベルが上がって各値が2づつ上がってたんだけどこれってどうなの?」
「えっ、それはおかしいです。普通は自分に関係している値が伸びやすい傾向にあって上がっても2です。1上がるのが普通です。あまり関係ない値はたまに1上がる程度です」
「そうなのか、あまり人には言わないようにするよ」
僕は成長しやすいみたいだ。
「よし、大分回復したし帰ろうか」
帰った僕は布団に倒れ込むように横になった
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