第31話 蒼い髪のエレイン6
ヴィヴィアンさんを案内したあと俺とエレインさんはすぐにキッチンへと向かった。そこにはエプロン姿のベルとガレスちゃんが待っていてくれた。
「それであなたたちはいつまで手を繋いでるのかしら?」
「あ、つい……」
ベルの刺々しい指摘で俺達は慌てて手を放す。エレインさんもちょっと顔が赤いのは気のせいではないだろう。そりゃあ男慣れしていないのに、ずっと手を繋いでたらはずかしくなるよな。
「ずいぶん、嬉しそうですね」
俺がエレインさんの手の感触を思い出していると、ガレスちゃんもなんか不機嫌そうなんだが!? いつも笑顔のガレスちゃんがなぜか、頬を膨らましている。
「どうしたんだ、ガレスちゃん?」
「いえ……なんでもないです。セインさんとエレインさんが付き合っているのって演技なんですよね?」
「そうだぞ、俺がエレインさんみたいな美女と付き合えるわけないだろ……」
「ふふ、そうですね」
「そこはそんなところないですよっていうところじゃないか?」
俺の言葉になぜかガレスちゃんは嬉しそうに笑った。俺の評価ってよっぽど低いんだろうか? ちょっと悲しくなってきたぞ。
「何をしゃべっているの? 早くやるわよ、私が家事スキルを譲るからそれをエレインに貸してあげて。ちゃんと家事もできるって証明すればあの人も戻ってこい何て言わないでしょう」
「私のスキルもお願いします。こんなことでエレインさんとお別れ何て絶対いやですから!!」
「二人ともありがとう……」
ベルとガレスちゃんの言葉にエレインさんが涙ぐむ。そうだよな。ベルにとっては家事スキルは商売道具というほど大切なものだし、ガレスちゃんにとってもここでのバイトをするあって損はしないものだ。そんな大事なものを一時的にとはいえ貸すのだ。エレインさんを信頼しているのとそれだけ一緒にいたいという事なのだろう。
そして俺はベルとガレスちゃんの家事スキルをエレインさんに渡すのであった。
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