『岩手』編:都道府県オープン参加小説2:宇宙人侵略その後、各都道府県はどうなっている。

皆木 亮

『岩手』

世間では、

『ゾン・ヴィラン・ド・サ・ガ星人』とかいうのが、

日本の各国を侵略し始めたとかで、



今日も、この決して発展してる街とは言えない、

田舎町とも言える、我が県、岩手でも、



色々と、『ゾン・ヴィラン・ド・サ・ガ星人』と、

日本の最新技術とやらが使われたとかいう、

ロボとか同士の戦禍が巻き起こっているらしいが…。



「まあ、田舎の中でも、特に田舎の此処ここじゃ…。

 そんな異星人に狙われるなんて、

 戦略的価値とかいうののあるモンもねぇよな…。」

 と、村に1件のスーパーの軒先のきさきのベンチで、

 買ったばっかり荷物の中から、

 岩手特産の『江刺りんご』を使った、

 特選江刺りんごジュースのボトルを取り出して、

 豪快にあおる…ッ!



「クゥー…ッ!

 やっぱし、江刺りんごは効くねぇ…!

 他のリンゴジュースなんかとは、

 のど越し違うよな! のど越しが!」

 そんな風に、オレが、岩手の特産品を大いに謳歌おうかしていると…。



「それを…それ以上…飲んじゃダメ!」

 急に…チャイドルかと見まごうような、

 きゅ~とで、ろりぽっぷ過ぎる、

 凄まじい可愛さのロリっが近づいて来て、

 オレの腕を、そっちも凄まじい力で引いて来る…ッ⁉



「それは…魔性の味だよ…!

 飲み続けたらくせって辞めれなくなる…。

 それは…危険だから…!」

 オレを真摯しんしに見る、その顔は、真剣そのものだ!



「え…? あ…ああ…。」

 とにかく、江刺りんごジュースを飲むのを辞めると、



「それに…ここは危ないよ…!

 もう直ぐ…戦禍に飲まれる…!

 早く…覚醒しないと…取り返しの付かない事になる…!

 だからね…? お兄ちゃんは…目覚めないと行けない…!

 解るよね…? お兄ちゃん…?」

 どうも、お兄ちゃんと言うのは、オレの事らしいが、

 戦禍に飲まれるって…。



 『ゾン・ヴィラン・ド・サ・ガ星人』が、

 ここを襲うっていうのか…⁉



 でも…覚醒…?

 それに…それをしないと、

 取り返しの付かない状況になる…?





「え…いや? その…。

『ゾン・ヴィラン・ド・サ・ガ星人』が来るなら、

 とにかく、君も逃げないと…。」

 と、このロリっをおもんぱかるオレに。



「やっぱり…私が解らなくされたんだね…!

 私の事は…いつも通り…ミクルって呼んで!

 今は解らなくても…。

 きっと…お兄ちゃんが目覚めれば…。

 全てが解るから…!」

 どうも、オレは、何かに解らなくされている上、

 このロリっを、いつもは、

 『ミクル』と呼んでる…のか…?




「え…? え…⁉ え…ッ⁉」

 と、戸惑うばかりのオレの前に…。





 ギュワンッ‼


 凄まじい勢いで…何かが現れた…ッ⁉




「ろ…ロボット…⁉」

 いきなり、オレの目の前に、

 20メートルはあろうかという、巨大なロボットが、

 天から降って来た…ッ?!





「な…何だよ…ッ⁉

 どうなってんだよ…ッ⁉

 怖ぇぇよ…ッ⁉」

 狼狽うろたえまくるオレの手を、

 ミクルちゃんが、そっと握って、




「大丈夫…全部…ミクルに任せて…ッ!

 お兄ちゃんは…ただ…乗ってくれるだけで良い!

 そしたら…。

 また…元通りの…。

 綺麗な世界に戻れる…。

 また…私たちの日常が…。

 来るから…。」



 何かに…。

 耐えられない何かに…。


 運命ってモノかもしれない…。

 そういうモノにあらがう様に…このが…。

 涙目にりながら…オレに告げる…。





 解らない…。

 何もかもが解らない…。



 オレは…ただ…地元で…。

 岩手で…。

 ただ…名産品の江刺りんごジュースを…。

 飲んでただけじゃなかったのか…。



 だけど…。

 だけど……!



「ミクル…!

 君がどういうかは解らない…!


 このロボットの事も…。

 いや…今の全ての状況が解らない…。


 だけど…。

 オレに……。


 オレに…オマエの涙が止めれるなら…!


 オレは…ッ!」



 と、オレが感極かんきわまり、

 叫び出しそうになった時に…ッ‼





「あ…ッ!

 また…お兄ちゃんの存在力が別の人に移った…ッ!」

 と、何か良く解らない事を言ったかと思うと…。



 いつの間にか、

 目の前に立っていたはずのロボットが消えている…ッ⁉



「もう…お兄ちゃんの存在力が別の人に移ったから…!

 シュタイガーンバオアーも…そっちに向かったのね…!


 『ゾン・ヴィラン・ド・サ・ガ星人』も…。

 もう…ここに攻めて来るのは辞めたみたいね…。」

 と…何かさらに解らない単語を述べた後…。





「さようなら。

 ひとつ前の、お兄ちゃんのうつわさん。

 一般人に戻ったアナタに…。

 もう会う事も無いと思うけどね。」

 と、手をはなし、

 何事も無かったかの様に、

 一切、振りむく事なく、その姿は消えて行った…。




 後には…。

 ポカンと…今起こった事を…。

 反芻はんすうするだけのオレが残された…。




「ハハ……ハハハ…。すっげぇ…。

 ロボット物なのに…。

 まるでファンタジーみてぇだった…。」

 反芻はんすうしても…。

 何が起こったのか…。

 まるで解らないままのオレ…。





 まあ…。

 とりあえず…。



「今日はファンタジー祝いに…!

 前沢牛で、すき焼きにするか…ッ!」

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